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2010-03-05 長崎市:平成22年第2回定例会(6日目) 本文

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  1. 長崎市議会 2010-03-05
    2010-03-05 長崎市:平成22年第2回定例会(6日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1          =開会 午前10時0分= ◯議長(吉原 孝君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第6号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、前日に引き続き、市政一般質問を行います。41番前田哲也議員。       〔前田哲也君登壇〕 2 ◯41番(前田哲也君) 自由民主党前田哲也です。質問に入ります前に、まずもってお礼を申し上げたいと思います。先般から会派としても個人としても要望しておりました予算過程の公開という意味で、早速に平成22年度当初予算につきまして、予算要求査定状況一覧表というものを総括資料と一緒に添付していただいております。迅速な対応について、市長に感謝申し上げます。ただ、予算編成過程の公開というものは、これが入り口ですので、これからも今まで以上に情報の公開について努力をいただきたいと思います。  それでは質問に入ります。1番、金子県政12年の評価と新県政にかける期待について。  新知事が誕生しました。選挙については、あえてここでは述べませんが、私を含め反省させられるのは、本来、政策を争う選挙でなければならなかったのが、そうではなかったという点です。そして、その前提として、金子県政12年の評価というものがマスコミも含め、きちんとなされていない中で、選挙戦に入ったことは非常にまずかったという思いがあります。  そこでお尋ねします。これから本市のまちづくりを推進していく中で、一つの区切りであるこのときに、金子県政の12年の評価というものを長崎市長としてきちんと示し、その上で新しい知事にどのような県政を期待し、そして県市一体となってこれからどう取り組んでいくかを示すということはとても大事なことだと思います。金子県政12年の評価と新県政にかける期待について、市長のご所見をお示しください。  県との政策の共有と連携強化によるまちづくりの推進について。  1点目の質問に続く形になりますが、これからは今まで以上に県と市の連携というものが必要になってくるはずです。私は今までの県との関係を見たとき、残念ながらこれまでの施策や事業の連携が十分にとれていたとは言えない状況であったと思っています。さきの会派の政策要望でも連携強化を求めましたが、そのことに異論はないでしょうから、きょうの質問では、では具体的にこれまでどのような協議機関を設け、種々の協議を行っていたのか。また、県市の連携が弱かったとするならば、これから新たにどのような協議機関を設ける考えがあるのか、お尋ねします。その上で、田上市長において、県との間で、一つは時間的に急がなければならない、またもう一つには、市長の目指すまちづくりを形にするために、早急に協議・調整が必要な施策・事業の認識をお尋ねいたします。  次世代育成支援について。  国や県の少子化対策の流れに沿って、本市も平成10年に長崎市子育て支援計画を策定し、中間年の14年度に見直しを行いました。そして平成15年に策定された次世代育成支援対策推進法では、平成17年度から26年度までの10年間の取り組み地方公共団体に義務づけています。そこで本市でも平成17年から長崎市次世代育成支援前期行動計画が立てられ、その計画に沿ってさまざまな事業が展開されてきました。  そこでお尋ねします。平成21年度はその前期計画の最終年度であり、新年度からは後期行動計画のスタートの年となります。ついては、前期行動計画を終えての全体的な評価と後期行動計画策定に当たってのその特徴についてご答弁願います。  最後に、第四次行政改革の自己評価と第五次行政改革に向けた新たな視点について質問いたします。  22年度は、第四次行革の最終年度であり、また第五次行政改革の策定年度に当たります。そこでお尋ねいたします。第四次行政改革の評価とそれを受けての第五次策定に向けた新たな視点についてお尋ねします。  本壇からは以上でございます。=(降壇)= 3 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕
    4 ◯市長(田上富久君) 自由民主党前田哲也議員の質問にお答えします。  まず1点目の金子県政12年の評価と新県政にかける期待についてお答えします。  長崎県におきましては、この12年間に多くの政策、施策が推し進められ、その実績を残されてきました。その中でも特に税収が非常に厳しい中で、行財政改革を進めるとともに、公共事業費を縮減するなど、財政の健全化に努められた結果、健全な県政運営を維持されたことは、将来の県政や県民にとっての負担を軽減したと言えると思います。  このような中にあって、女神大橋やながさき出島道路など、長崎市のまちづくりに必要不可欠な道路等の整備、あるいは県市共同で建設した長崎歴史文化博物館、美術館、水辺の森公園の整備など、県民、市民に身近なまちづくりを進められるとともに、新幹線などについて大きな道筋をつけられるなど、将来の長崎のまちづくりにとって重要な足跡を残されたのではないかと思います。また、経済政策にも積極的に取り組まれ、特に企業誘致では、県市一体となってAIGを初めとした都市型産業の誘致などにより、新たな雇用が創出されたことは大きな成果であったと思います。  次に、新県政にかける期待についてでありますが、県を初め、県都である長崎市を取り巻く環境は人口流出や雇用不安など、厳しい状況であることも事実であります。私は施政方針において、経済対策・雇用対策を喫緊の課題として対応すると申しましたが、新知事におきましても、経済、雇用を喫緊のテーマと掲げられており、共通の現状認識を有しているものと考えております。そのため、県と市が県民、市民のそれぞれの視点に立って、連携・補完しながら、互いの施策等を展開していくという関係をこれまで以上に築いていきたいと考えております。  地方分権が進んで、権限や財源が委譲されるにつれ、県と市の関係は非常に重要になるものと考えております。私も一昨日、直接お会いした際に、市、町がよくなることが、県全体がよくなることにつながるという観点から、市、町への力強いサポートをお願いいたしました。激しく変化する時代の中にあって、地方自治も変化を求められております。県、市がそれぞれの役割に応じて適切に対応しながら、地域の発展につなげていきたいと考えております。  次に、2点目の県との政策の共有と連携強化によるまちづくりの推進についての(1)協議機関の設置についてお答えします。  まず現況としては、長崎市の総合的なまちづくりについて協議をする機関として、副知事、副市長、関係部局長で構成される長崎県長崎市都市づくり連絡会議というものがあります。これは平成11年5月に設置され、必要に応じて随時協議を行っております。その中のプロジェクト的なものとして、最近の事例で申し上げますと、県庁舎跡地活用の問題や長崎市中央部・臨海地域の都市再生についての協議を行っております。そのほかさまざまな案件について、県、市の関係部局間で個別に協議を行う場があります。  新知事の就任に伴う新たな協議機関をということですが、私も地域の課題に対して、県と市、町が共通認識を持ち、それぞれの役割に応じて政策を立案、執行していくことが今後さらに重要になっていくと考えておりますので、知事と市長、町長が対等な立場で定期的に協議する場を設置することについて、知事に要請をしたいと思っております。  議員ご指摘のとおり、県と市が一体となってまちづくりを推進していくことは、非常に重要でもありますので、新たな協議の場の活用はもとより、既存の県との協議の場をさらに機能的なものにして、早急に協議が必要な案件等については、引き続き密接な連携を図り、迅速に取り組んでいきたいと考えております。  次に、2点目の(2)県との早急な協議・調整が必要な施策・事業の認識についてお答えします。  県と急いで協議すべき課題としては、新幹線の諫早─長崎間の早期実現に向けた取り組み世界遺産登録に向けた取り組み、長崎市中央部・臨海地域の都市再生に向けた取り組み、そのほか経済的な政策、東アジア戦略、福祉医療の現物給付、被爆者援護、平和の問題など、さまざまあるものと認識をしております。  そのうち九州新幹線西九州ルートの実現に向けての取り組みについては、諫早─長崎間などの未着工区間について、新政権のもとでことしの夏ごろをめどに、全国の未着工区間のうち早期に着工すべき区間を決定するため、その優先順位や財源確保の方策などが検討されております。西九州ルートの整備効果を最大限に生かすためには、この諫早─長崎間の早期整備は必要不可欠ですので、長崎県を初め関係団体と連携しながら、早期認可・着工の実現に向けてさらに力を入れて取り組んでいきたいと考えています。  また、現在推進している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」、「九州・山口の近代化産業遺産群」の2つの世界遺産登録への取り組みについても、県などとの連携により急がなければならないと考えています。特に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産の構成資産」については、長崎県世界遺産学術会議において検討されておりますが、まだ決定には至っていないという状況ですので、早期決定に向けて長崎県と協議をしながら、関係自治体と一体となって取り組んでいきたいと考えています。あわせて今後の作業手順やスケジュールについても、早急な協議を行っていきたいと考えています。  さらに、長崎市中央部・臨海地域の都市再生については、新幹線整備を契機とした長崎駅周辺の再整備や世界遺産登録への取り組みまちなか再生のための各種施策などを国際交流拠点都市・長崎の再生という地域の目指すべき方向性の中で体系づけるため、基本計画の策定を進めており、引き続き県と一体となって取り組んでいきます。  そのほか、冒頭でも申し上げましたように、福祉医療の現物給付に係る課題の整理など、県と急いで協議すべき課題については、県、市の関係部局間での緊密な協議、調整を行うとともに、場合によっては、知事との新たな協議の場において、直接お話をさせていただきたいと考えております。  次に、3点目の次世代育成支援についてお答えします。  次世代育成支援行動計画は、平成15年7月に成立しました次世代育成支援対策推進法に基づく法定計画であり、あすの社会を担う子どもや子育て家庭に対する支援、子どもが健やかに生まれ、育つ環境の整備など、子育て、子育ちにかかわる施策を総合的、計画的に推進するため、平成17年度から21年度までの前期計画を平成16年度に策定し、平成22年度から26年度までの5年間を計画期間とする後期計画を、現在策定しているところでございます。  前期計画として、子どもの育ち、子育て家庭への支援、地域での支え合いをキーワードに3つの基本目標と、これらの目標に基づく施策及び事業を体系化して推進してまいりました。この5年間に120の事務事業を前期計画に位置づけ、それぞれの事業ごとに数値目標を掲げて取り組んでまいりましたが、全体平均で72.5%の達成率という結果になりました。また、市民を対象にしたアンケート調査の中の子育てしやすい環境の評価については、就学前の保護者からは一定の評価を得ているものの、小学生の保護者の評価は、5年前と比べて、やや下がっております。子育て中の保護者のご要望としては、主に国政レベルの施策にかかわるものですが、子育て家庭への手当の支給や税制優遇措置、保育所、幼稚園の費用や教育費といった経済的負担の軽減等といった項目が高い要望として示されています。一方、長崎市の子育てしやすいまちづくりに向けての取り組みは、この5年間で乳幼児福祉医療現物給付導入子育て支援センター、保育所、放課後児童クラブ乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)といった環境整備を行い、一定進んでいると評価をしておりますが、さらなる施策の目標、目的達成に向けた取り組みが必要であると考えています。  そこで、今回の後期行動計画の策定に当たりましては、子育て支援活動団体障害者団体ひとり親家庭の皆様とも意見交換を行いまして、また長崎市社会福祉審議会事業主団体労働者団体等の関係者を臨時委員として加えました策定会議への諮問、さらに児童福祉、健康、教育分野を初めとした関係部局による推進本部や連絡会議を設置して、横断的な検討と総合調整を行いました。その結果、前期計画から引き続き、子どもを生み、育てやすい環境づくりに向けた事業の着実な実行と国の策定指針の見直しも考慮し、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの実現、食育の推進、ひとり親家庭等の自立支援の推進等を新たに施策体系の中に取り込んで、新規事業や追加事業を加えた165の事務事業を盛り込む予定になっています。  平成22年度は新たな次世代育成支援行動計画のスタートの年であり、5年後、10年後の長崎が未来を担う子どもたちが健やかに育ち、子育ての喜びや楽しみを多くの市民の皆様に感じていただけるよう、さらに力を入れて取り組んでいきます。  次に、4点目の第四次行政改革の自己評価と第五次行政改革に向けた新たな視点についてお答えします。  現在、平成18年度から平成22年度までの5年間を期間として策定した第四次行政改革大綱に基づいて行政改革を推進することで、行政運営に係る経費を削減し、市民サービスの向上に努めています。  第四次行政改革の推進に当たりましては、市民との連携・協働によるまちづくりの推進、選択と集中による行政サービスの重点化、簡素で効率的な行政体制の整備、健全な財政基盤の確立の4つの基本的方向性に沿った94の具体的施策について、行政改革実施計画に基づいて計画的に進めております。  実施項目は、組織や人員体制の見直し、給与制度の適正化、業務の民間委託、施設の民間委譲等であり、数値目標を設定し、達成を目指して取り組んでおります。これまでに職員数の600人削減、普通会計の人件費総額を30億円削減、累計で200億円以上の経済効果という厳しい目標設定に対し、職員数については、平成21年4月1日現在で430人削減し、進捗率が71.7%、普通会計の人件費総額については、平成20年度決算で約48億円を削減し、進捗率が160.3%、累積経済効果については、平成20年度決算では約96億円で、年度目標値に対して102.1%の進捗率となっており、最終年度の平成22年度末には達成する見込みであります。  このように、目標達成という面では十分評価できるものと考えております。しかしながら、数値目標とは別の観点から施策等を見た場合、市民との協働のさらなる推進、職員の年齢構成の是正など、今後も取り組むべき課題が残されていることも認識をしております。  次に、第五次行政改革に向けた新たな視点についてお答えします。  今後も行政需要は多様化し、量的にも増加していくことが予想されますが、組織の拡大という選択肢が考えられない中、選択と集中の手法により、業務は優先度に応じて行うとともに、限られた人員、予算の中で、仕事の質を高めることが重要であります。  そこで、行政サービスのあり方を明確にし、行政の受け持ち分担を整理して、長崎市の3つの基本的考え方の1つである、みんなでまちをつくるという方向性に沿って、新しい公共という考え方も踏まえながら、市民との協働と民間活力の活用を推進していく必要があるものと考えております。また、あわせてより効率的、効果的な行政運営を行うため、常に職員みずからが業務改善や改革を意識しながら成果を上げていく組織を構築していくことが重要であります。  次期行政改革大綱につきましては、これらの点を総合的に踏まえた上で、行政改革審議会、議会にお諮りしながら、策定に向けて進めていきたいと考えております。=(降壇)= 5 ◯41番(前田哲也君) 全般にわたり答弁をいただきまして、ありがとうございました。再質問をさせていただきたいと思います。しりすぼみにならないように、しっかりとした再質問をさせていただきたいと思っております。頑張ります。  金子県政12年の評価というところで、市長のほうから答弁いただきました。私たち自民党の評価とほぼ同様な高い評価だったというふうな認識をいたしておりますが、もう少し私たちの中でも、社会の変化の中で、もしかすると、ややもすると、当時はそうだったけど、社会の変化、時代の変化の中で、そういうところはこれから見直しに入っていかなければいけないんじゃないかとか、そういう部分はあると思うんですよ。私たちもそれはあると思っております。そういうところのご指摘がなかったことについては、これからまた知事とともに鋭意取り組んでいただきたいと思っておりますが。  ある方が、こういうことを言われまして、私はなるほどな思ったんですけれども、バンクーバーオリンピックが終わりました。国民の関心というのは、これが一段落すると、ワールドカップのサッカーに多分入っていくだろうと思うんですが、その方が言ったのは、県政というものをサッカーにたとえるならば、目指すゴールはだれが取り組んでも一緒の方向を目指すんだと。自分のほうにゴール、逆のほうに向かってゴールするということはあり得ないと。そういう意味でいけば継続性が問われると。そうした中で、金子県政というものは、ややもすると、行動がすごくトップダウンで目立っておりましたけど、それはサッカーでいえば、フォワードタイプでどんどんどんどん切り崩していくような得点の取り方を重ねてきたが、今度なられた知事に関して言えば、ミッドフィルダータイプで、パスを回しながらゴールをしていこうという姿勢じゃないかということを言われていて、確かにそうなんだなと思いました。きょう市長が言われたように、市、町がよくなることが県がよくなるという意味では、ゴールを重ねるのは、シュートするのは、県でも市でも民間でもだれでもいいんですよ。結果としてチームが勝つことを目標とするならば、私が申しましたように、これからもさらに県との連携の強化を深めていただきたいと思っております。  そうした中で、従来からも長崎県・長崎市都市づくり連絡会議というものを設けて、連携はとっているよというようなご答弁でしたが、今回の質問にあわせて調べさせてもらいました。平成11年に連絡会議を発足させて、これまでに7年間のうちで、合計9回開催されております。そして市長の任期になってからは、20年度の6月にやったこの1回しかないわけですよ。この会議すべてがトップ同士の会議というか、県と市の全庁合わせた中での総合的な協議機関と思っておりませんが、しかし、回数を見るだけでも非常に少ないなという気がしています。20年の1回の前は17年に1回、その前は15年に1回という実績ですので、そういう実績だけ見る中では、もう少し市長のほうにおいては、これから県政、市政においては、山積する課題がたくさんあると思います。そうした中で、こういう正式な会議があるとするならば、年に何回と月を決めてでも定期的にやっていただくことを要望をしたいと思っております。  あわせて市長のほうからは、これは伊藤前市長のときもそうでしたが、部においては、随時関係部局間で協議を進めていますということで答弁があっておりました。実際そうだとは思うんですが、多分、市長を初め三役の方、そして私たちが議会を見たとき、県との連携がどうなっているんだというときに、部局間で協議はしていますと言いながらも、どういう協議をだれがどうやっているのか、その進捗はどうなのかというのは、全くもって庁内ではわからないような状況が今まで来ていたと思います。多分、副市長なんかも、市長にかわり事務を預かる中で、どうなっているんだと思ったときに、各部長に確認して、報告を受け、また検討するということがあっていたと思います。そういうことを考えたときに、今回、一つ質問したかったのは、そういう各部局間、各部同士の調整していること、そして打ち合わせしている内容を庁内できちんと共通認識を持つというような情報公開のあり方というんですか、共有するということがぜひ必要であって、これからは部と部をまたがるような課題もたくさんあると思うんですよ。そうした中では、私たちも含めて、どういう協議をしているのかという、常にリアルタイムでわかるようにしておかないと、なかなか機能的な連携強化というのは図れないと思うので、そういうことをこれからどういうふうに考えようとしているのかについて、まずご答弁をいただきたいと思います。 6 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  県市協議等の大きな課題については、都市経営執行会議等での情報の共有化に努めておりましたが、ご指摘のとおり、それでは十分じゃないという側面もあろうかと思います。これをシステム化するということも大事じゃないかというふうに考えておりますので、企画財政部のほうで、一定定期的に重要なものについては、その情報の補足を行い、三役等への報告も含めて、情報の共有化に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 7 ◯41番(前田哲也君) 答弁ありがとうございました。ただお願いは、重要なものと判断は企画財政部がするわけではなくて、市長もですが、やはりほかの方から見ても、重要というのは、どの時点で、どれが重要かというのは、なかなか判断が分かれるところですので、重要なものを問わずして、情報が共有できるような体制をぜひとっていただきたいということを要望しておきます。  その中で、早急に協議が必要なものの認識はどうなんですかという話の中で、幾つか事業が上げられました。私も同様な認識を持っていますが、その中でも特に市長が冒頭に言われた九州新幹線西九州ルートの認可着工に向けては、私から見たら、非常に危険なというか、危ない状況になってきたなということを認識しています。先般の新聞の中でも、整備新幹線政府答弁書の中で、着工の是非も検討されるということもありました。そして、これはそう気にすることはないでしょうけど、一つの新聞の中では、国交省が在来線特急を検討、フリーゲージの断念を想定して在来線特急を検討したという、私たちがフリーゲージトレインを要望する以前の案が出てくるようなことまで、このごろ見られてくる中で、夏をめどに、その着工の順位づけ、認可の順位づけがされるということであるならば、市長が言われたように、県市一体となって努力するということは当然のことですが、私自身はやはりここ数カ月、市としても積極的に独自の取り組みをすべきと思っております。  先般の県知事選挙のときの各マスコミのいろんな出口調査の中で、大きな事業の中に新幹線がありましたよね。その中でやはり特に世論を二分しているような状況の中で、まだまだ長崎市民にとって、もちろん県下全域をとった中で、長崎新幹線の必要性というものが十分に理解をされていない、もしくは求める行動が足らないという認識に立つならば、私はNPTの再検討会議等に行かれる時期も重なったこともあるんでしょうけど、このときにこそ、もっともっと長崎市として独自に理解を訴える行動というものをとるべきだと思いますが、そのあたりについて、市長のお考えをお聞きしたいと思います。 8 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  新幹線に関する広報活動についてのご指摘ということでございますが、県全体といたしましては、これまで長崎新幹線建設期成会を中心に、講演会、総決起集会の開催、パンフレットの配布、あるいは各種イベント時における模型やパネルの展示、こういったものを随時行ってきております。特に新幹線が通らない地域の方々のご理解がまだいただけていない状況であるというふうなことは十分認識をいたしております。  長崎県におきましても、このような状況が十分認識されておりますので、今後、県民全体の機運を高める、そういった取り組みが強化されていくということになっております。  一方、長崎市といたしましても、出前講座等を中心に開催をいたしておりますが、市民の方と直接対話する中で、ご理解も随分深まってきているという手ごたえも感じておりますので、今後もその回数をふやすとともに、広報誌への掲載などの取り組みもあわせて行ってまいりたいというふうに考えております。また、例年行っております西九州ルートの沿線5市の市長による5市サミットやシンポジウムをことしは夏までに開催する方向で準備を進めているところでございます。いずれにいたしましても、国内外の人々と活発に交流することができ、世界に開かれた都市として長崎を活性化していくためには、新幹線は重要なツールでございます。そういったことで、1人でも多くの市民の皆様にご理解していただけるよう、今後もあらゆる機会をとらえまして、わかりやすく丁寧な広報に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 9 ◯41番(前田哲也君) ご答弁ありがとうございました。従来からも十分な努力はしているとは私も思っておりますが、やはりそれでもなかなか理解を得られていないというところに立つならば、もう少し斬新なというか、方法を変えたご理解の仕方というか、求め方があるのじゃないのかなと思っております。  ただ、この際私からの一つの提案ですけれども、九州新幹線のときになると、やっぱり時間の短縮効果とか、そういう経済効果とかの訴え方もあります。そして長崎の駅前がどう変わるかということもあるとは思うんですが、さっき市長が答弁あったように、それとあわせて昨年から県との一体の中で、長崎市中央部・臨海地域の都市再生ということで、都市再生総合整備事業ということにかかわっていますよね。これ駅だけではなくて、中心市街地も含めて、茂里町あたりまで含めて非常に大きな範囲での県との連携したまちづくりというのを、もうそろそろ基本計画がまとまると思うんですけれども、そのことが今取りまとめられようとしている。そして私も今回改めて勉強させてもらいましたけれども、この計画については、まだまだ市民の方に十分周知ができていないんですよね。もちろんこれは計画ができていなかったからそうなんでしょうけど、市長がよく言われる、新幹線が来ることが目的じゃないんだ。そこから先のまちづくりだということを常々言われるのであれば、この計画こそもっと市民の方に大きく伝えて、ここから先にアジアに向かうんだということも含めて私はやっぱり訴えていくような、ただ単に、駅前の再整備とか、そこだけを語っていくと、なかなかこの今までの理解をまたさらに深めるということにはならないと思うので、ぜひこのことについては、都市再生総合整備事業ですね、このことの周知というものも図っていただきたいと思っております。  そして、この計画についてですが、実を言いますと、これは政権が変わりまして、行政刷新会議の中の事業仕分けの対象になっておりました。結果としては、地域のことは地域でやっていくんだということで、この事業自身は生きていますが、補助事業じゃなくて、一括交付金の中で含まれるような形で、これから進められるようとしています。そうなってくると、これは財源を含めて非常に重要な問題ですし、新幹線の着工のおくれ、もしくは着工できないということになれば最悪ですけれども、そうなってくると、この計画自体も大幅に見直すということになりますので、この点については、やはり県と連携をとりながら、しっかりと取り組んでいただきたいということを要望しておきます。  続きまして、市長のほうから教会群の世界遺産の登録に向けて早急に連携を深めたいというご答弁がありました。私も一昨年度、世界遺産特別委員会の委員長とならせていただいて、1年間、同僚議員とともにいろいろと提案させていただきましたが、やはり私が感じておるところは、2つの今世界遺産がありますよね、出島ができれば3つでしょうけど。どうも当初からの暫定リスト入りしてから、これまでの動きの中で、教会群の世界遺産の動きというものが市民の中で少しずつモチベーションが下がってきているなという気がしてならないんですよ。いろんなところに行っても話題に上がることが少なくなってきている。このこと自体一つとれば、非常に私は取り組みのおくれというか、機運が盛り下がってきているのかなと、停滞していると言わざるを得ないと思っております。  そして、そこは何に問題があったという中で、まず1点には、やはり私たちは特別委員会の中でも、23年度の登録が果たしてできるんですかと。世界遺産の推進というものは、世界遺産登録が最終目標ではなくて、まちづくりが目標であるとするならば、23年度ではなくて、もっと後の年でもいいじゃないかと、きちんと進めようよということを特別委員会の中でも疑問も呈してきたわけで、その当時も県のほうに確認をしてもらいました。しかし、構成資産の確定のおくれもあってなのかどうかわかりませんが、今現在も23年度の登録というのは、正式には聞いていないですよね。しかし、文化庁のほうからは平泉と小笠原諸島を23年度に上げますということがもう出ています。そういう中で、県としては、ここはまだ正式に答弁しづらいところでしょうが、長崎市として一緒にやっていく中で、23年度登録は無理という認識にあるのかどうか、まずその1点をお尋ねしたいと思っております。  それと、これまでの取り組み、私は少しおくれていると思っておりますが、行政として、これまでの世界遺産の登録の動きがおくれているという意識があるのかどうか。そしてこれからどう進めようとしているのか、その点について、改めて質問をさせていただきたいと思います。 10 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  世界遺産登録を取り巻く状況は、審査の厳格化等により大変厳しくなっておるというふうに認識をしております。このような中、平成22年1月、国において、平成23年度の世界遺産委員会での登録を目指し、文化遺産として平泉、自然遺産として小笠原諸島の推薦書がユネスコ世界遺産委員会に提出されましたので、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の平成23年度登録は、実質的に不可能ではないかというふうに思っております。今後の登録目標については、早急に引き続き県とも協議を続けてまいりたいというふうに考えております。  それから、世界遺産への取り組みにつきましては、特に外海地区におきましては、世界遺産を契機とした、自分たちの住む地域は自分たちで守り育てるという考えのもとに、平成22年2月8日に外海地区まちづくり協議会が設立されるなど、まちづくりに向けた取り組みは着実に進んでおりますので、引き続きまちづくりという観点では、地区の皆様と一緒にまちづくりに努力してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 11 ◯41番(前田哲也君) はっきりと実質的に不可能という言葉は、私は了といたします。ただ、長崎市が多分県下の市長の連絡協議会の頭になっておられるんでしょうから、そのことも含めて、しっかり県のほうにその旨をお伝えというか、まちづくりをする現場としては、やはりそういう認識でいるということを伝えてほしいと思いますし、そういう意味では、やはり構成資産を早く確定すると。後から追加することは可能なんですから、まず構成資産を年度内にでも早く確定していただいて、今回また世界遺産に絡んだ予算が多く随分と増額で組まれておりますので、そこをはっきりした上で進められることが私は施策の振興の中ではいいことだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  さきに述べた新幹線に絡んだ中心部の開発、それから世界遺産もそうですが、このことをもって駅周辺あたりが随分と変わるんではないかなと思っているとき、もう1つだけ要望しておきたいのは、長崎の駅前が随分これから変わってくるでしょう。その中で、市長は回遊性とか、そういう3つのテーマを持っていますけれども、その住民にとっては、駅前がどう変わるかという中では、住民にとってとても便利な場所になるんですよね、これから開発が進むと。ですから、住んでいる人にとって、長崎駅周辺中心部がすごく便利になるという意味においての視点におけるまちづくりというんですか。例えば、今、市役所でやっている、県庁でやっているのは、サービス等を長崎の駅前でできないかとか、とにかく公共交通機関を使って長崎駅前に行けば、何でも用が済むんだよというような視点に立てば、今計画しておるようなことも含めてバリアフリーも進むでしょう。そういうことも含めて、長崎駅前というのがもっと輝きを増すと思いますので、生活に便利な拠点になるんだという切り口も含めて、これからの計画を検討していただきたいということを思っております。  それと、これは事前の担当部局とのヒアリングの中で、今まで言った世界遺産とか新幹線の認識のほかに、私としてはこういうことも早急に検討しなきゃいけないんじゃないですかということをやり取りしていたので、改めてお尋ねをさせていただきますが、私が昨年6月に質問した電車の北部延伸ですね。そのことについては、今回の総合計画の中までに反映されるということになりましたが、その後の検討状況も含めてお尋ねをしたいと思っております。私としては、延伸にこだわっているのは、先般申し上げましたように、長崎市だけであって、県も事業所もそのことは望んでいないと思っております。そして地域の住民の方から見たら、35年間に及ぶこの問題を随分と期待を持たせながら引っ張ってきたという表現は適切じゃないかもしれませんが、そのことにおいては、私は長崎市として大いに反省をしていただきたいということを思っておりますので、この際、お聞きしますが、総合計画策定ももうすぐに迫っております。協議もしたということも含めて、そしてなぜこの質問をするかというと、道の尾駅の整備事業が今回予算に上がっているんですよ。それは延伸にかわる施策ということで前回説明があっていますので、そういう意味においては、道の尾駅の再生にかかるのであるならば、この時点において、そのことを県と協議をきちんとして、私ははっきり示すべきだと思いますので、そのことについて答弁を求めたいと思います。 12 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  路面電車の北部延伸でございますが、過去に事業者や地域の皆様からの要望などにもございまして、北部地区の公共交通の円滑化に向けた取り組みとして検討に着手した経緯がございます。このことは、第三次総合計画や都市計画マスタープランにもその検討を行うことを位置づけるとともに、関係者による協議会の設置を行うなど、検討・調整を行ってまいりましたが、北部延伸を取り巻く環境は厳しく、その実現は非常に困難なものということで考えております。  このような中、今後の北部延伸の検討を継続していくか否かにつきましては、過去に関係者の皆様と協議を重ねた経緯もあり、また実現に向けた支援をお願いした方々もいらっしゃいますので、再度皆様方にご意見を伺い、整理を行う必要があるというふうに考えております。現在、次期総合計画の策定時期をめどに、一定の結論を得られるよう、関係者の皆様と協議を行っているところでございます。  また一方で、北部方面の公共交通の利便性の向上、円滑化に向けた取り組みというのは、重要な課題というふうに認識しております。JRの道の尾駅や路面電車の赤迫電停において、JR、路面電車、バス、相互の乗りかえ利便性を高めることも公共交通環境を改善するという意味では、有効な施策でありますことから、これらの取り組みも含めて、県や交通事業者と協議を行っている状況にございます。特にJR、道の尾駅につきましては、長崎市においても、平成22年度から都市計画道路、道の尾駅前線の整備に着手することといたしております。その整備とあわせまして、交通機関同士の乗り継ぎ機能の強化・充実を含めた具体的な検討を行うことといたしております。いずれにいたしましても、これらの取り組みにつきましては、長崎市単独で実施できるものではございませんので、今後も関係者との協議を続け、具体的な取り組み内容を整理してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 13 ◯41番(前田哲也君) 昨年の質問の中では、まだ北部延伸についても、はっきりと不可能という言葉は出てこなかったので、そういう意味では、それからの協議の中で一定今、正式に不可能という言葉が出てきたことについては、私としては了としたいと思います。ただおっしゃるように、これまでもいろんな方と協議を進めてきた経過があることでしょうから、そこのことをきちんと手続を踏んで、総合計画の中にどういう位置づけをするかというのをはっきりしていただきたいということを要望しておきます。  それと、次に県との連携・協議ということで、どういう協議をしてきたんですかということで、私のほうから質問しておったんですけれども、そのことでちょっと答弁がなかったものですから、改めてお尋ねをしたいと思っておりますが、地域の医療についてです。昨年、私の質問の中で、原爆病院との統合がなかなかうまくいかなかった中で、市長のほうから、これから一番重要なことは長崎市民、長崎市全体の医療体制の総和を一番大きくする形にするには、どうしたらいいのかということをこれから連携、役割分担含めて考えていきたい。そのことが一番大事なんだということをおっしゃいました。しかし、先般の代表質問でも質問があっていますように、今回の野母崎病院の件含めたときに、総和をどうしたら維持できるか、大きくできるかという意味では、やはり私は地域医療検討会の取り組みのおくれが先般の野母崎病院のような結果を招いたんではないかということも感じております。  そうした中で、ひとつ解せないというか、非常に不満に思っていることを質問させていただきますが、地域医療再生計画というのがありますね。これもまた自民党時代から組まれてきたものが政権が変わって、規模が縮小されまして、20億円掛ける2つ、2パックということで申請がなされ、そして先般の新聞の中では、県北地域と離島地域にこの事業が当てはまるということで報道があっておりました。私は当初、このことについては、事業規模、そのトータルとしては、自民党当時は125億円あったのが、50億円になったわけですから、あっ、その過程の中で長崎市の分が落ちてしまったというか、長崎市の分よりも県北の分、離島医療のほうが、今深刻なんだよということで、そちらが優先されていたのかなという思いで納得はしていたんですが、今回質問するに当たり、調べた中では、そもそもその手前の昨年6月29日の時点で、県のほうから各地域から出してくださいというときに、長崎市も額は申し上げられませんが、何十億円という計画を出しているんですよね、県に対して。しかし、そもそもその時点、125億円の時点で長崎市の計画というのは1個も入っていないんですよ。だから、その政権が変わって50億円に絞られて、長崎市の分もこの数十億円という医療計画が落ちたんではなくて、その手前の段階の県の時点で長崎市の計画がすべて落ちている。これはやはり県と医療計画をこれからしっかりやりましょうと、統合はああいう形になったけれども、これからやりましょうという話の中で、どうしてこういうふうになったのかなというものが1点。  それと、もう1つは、落ちたことは仕方がない。しかし、その中で当初の計画の中には、これはぜひ長崎市としては取り組んでいかなきゃいけないということ。それは市長が言われる総和をもっともっときちんと保つんだという中では、やらなければいけない事業がこの中に入っているんですよ。それについて、これから長崎市としてどう取り組もうとしているのか、ご答弁をいただきたいと思います。 14 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 再質問にお答えをいたします。  地域医療再生計画は、国から交付されます地域医療再生臨時特例交付金を原資といたしまして、各都道府県に基金を設置いたしまして、平成25年度までに各都道府県におきます地域医療の事業を実施しようとするものでございます。議員ご指摘のとおり、長崎市におきましても、事業の実施に当たりましては、医療機関を中心に事業計画等をお尋ねいたしまして、計画を提出していただき、地域医療支援病院機能の強化のための新市立病院整備事業、あるいは医療情報共有化のためのシステムを構築するあじさいネットワーク構築事業など、9つの事業を集約して、県に提出をいたしております。しかしながら、国におきましては、各都道府県では、2つの圏域の計画を採択することという方針のもと、長崎県におきましては、県の保健医療対策協議会におきまして、より緊急性の高い離島地域の病院再編関係の事業を主体とします事業と、取り組みがおくれております佐世保県北地区の救急医療体制のための事業を主体とする事業の2つが県の計画として採択をされたものでございます。  2点目のご質問の中で、地域医療検討会でございますが、ご承知のとおり、医療連携専門部会、それから医療従事者の確保のための専門分科会という2つの分科会を設置いたしておりますが、この部会の中で、一定の方向性を示していただき、長崎市の事業といたしまして展開をしていこうということでございます。議員ご指摘のとおり、地域医療再生計画に私どもが提出をさせていただきました事業というのも、当然として今後この地域医療検討会の中で、課題として既に上げられているものもございます。私どもといたしましては、この地域医療検討会の専門部会の中で、そういった課題につきましても、協議を行い、必要な財政措置を含めまして検討をしまして、長崎市としての地域医療の事業を展開していきたいと考えております。  以上でございます。 15 ◯41番(前田哲也君) 市長にご認識いただいたのは、今のような話も含めて非常に長崎地域の医療というのが、私は危うい状況になってきていると思います。そういう中で、大学と病院との機能と役割を分担をするといった地域医療検討会だったと思うんですが、どうも今の流れを見ると、非常に悠長な感じがするというか、もともとはすみ分けをきちんとして、そしてあるべき市民病院はどういうものをつくろうかというのが、私はそこの答えだったと思うんですが、何かその医療全般どうしようかという話になってきて、それは本来、長崎地域保健医療対策協議会というのがあって、そこでやるようなことであって、市長が諮問したような長崎市地域医療検討会でやることじゃ私はないと思っておるんですよ。いろんな報告を見る中で、救命救急の問題、そして周産期の問題、随分大学側の動きの中で変更が出てきていますが、もともと長崎市新市立病院のコンセプトというのは、救命救急と周産期を頑張るんだということの決意だったと思うんですが、そこがこういう病院とかの動きの流れの中で変わってきているのはやむを得ないとしても、そこに合わせていくというやり方ではなくて、長崎市新市立病院が何を目指すのかという、やはり哲学をつくっていく作業が本当はこの地域医療検討会の中の大きな課題じゃないかと。ですから私は昨年の夏も時間がないけれども、頑張ってくださいねという意味で、ある意味エールを送ったんですけれども、そもそも地域医療検討会自身の中身について、少しぶれてきているんじゃないのかなという気がしておりますし、そのことは参加されている委員の方もおっしゃっています。少しそういう意味では、仕切り直しをして臨んでいただきたいと思いますし、やはり私は今、PFIのもとに箱物の建設というのは進んでいますが、病院というものは、箱ではなくて中身だというところに立ったときには、やはりその箱に魂を入れる作業というのが必要であって、その作業がなかなか見えてこないし、おくれている。楠本病院局長、一生懸命頑張っておるんでしょうが、実を言うと、先々だれが運営するかということも含めて、やはりそういう方たちと一体となってやっていかないと、市民病院は何を得意分野にして頑張るんですかということが今求められているのであって、医師の確保はその得意分野に合わせて、どういう人を集めたいかというのが次に出てこないと、もう順番があべこべになっちゃっているんですよね。例えば、こういう話があります。熊本の赤十字病院の名誉医院長さんが病院をつくりかえる際に、自分のところは救急と災害対応をしっかりやるんだということで、ロビーには災害時の対応に備えて、いざというときベッドになるソファーを買っていると。酸素とかが使えるような、要は緊急時にロビー丸ごとERになるようなつくりをしていると。要はそういうことだと思うんですよ。何か今の現象すべてをすべてカバーしようという中で、そうじゃなくて、本来、市民病院、どういうものをつくるんだ、市のニーズがどこなんだという部分を改めて整理をしていただきたいと思いますし、楠本局長、本当にいろんな意味で大変だと思いますが、そういう外部の方のお知恵もかりながら、しっかり頑張ってほしいし、そういう意味では、この再生の事業も随分と落ちてしまいましたけど、県とも改めて協議をして取り組んでいただきたいということを、この件に関しては要望しておきたいと思います。  次世代育成について入ります。個々には尋ねたいことは幾つもありますが、まずもって、このような最終の案、これは昨年の11月議会の厚生委員会の資料で、所管事項の中で説明をされていますが、しっかりしたものをつくっていただいているということに対しては評価をいたしますが、パブリック・コメントの件数が1件しかなかったというのは非常に残念です。特に現場の方がこのことを見てなかった、知らなかったという声を聞く中で、やはりサービスの提供者たる保育園とか幼稚園協会、学童の方々、いろんな方々が本来だったら、これができ上がる前にパブリック・コメントという手法じゃなくてもいいから、きちんと目を通していろんな知恵をかりて最終的なものをつくり上げるという工夫が必要じゃなかったのかなということを思っておりますので、今からでも遅くないと思いますので、そういうことについても、担当部もまた取り組んでいただきたいと思っております。  私が見させてもらう中で、一定進めるという評価がありましたけれども、その中で今度の後期基本計画をつくるに当たって、私はその企業の責任の位置づけが非常に弱いということを思っております。そうした中で、常用雇用301人以上の企業は事業主行動計画の策定の義務があるとなっていますが、その実績について、どうなっているのか。そしてこの行動計画は、来年度からは101人以上も義務化されるとなっていますが、今現在何%なのかについて、再質問をさせていただきます。 16 ◯商工部長(川口晴寛君) 前田議員の再質問にお答えいたします。  まず、長崎労働局、平成21年11月現在で取りまとめた計画の策定状況でございます。義務化されている301人以上の状態は、すべてが47社策定済みでございます。ただ、今後、義務化されます101人以上の企業については、現在のところ、13.7%が策定済みだというふうに伺っております。これは今まで101人以上は努力義務ということでございました。また、もう1つは一昨年以来の厳しい経済環境の中で、多くの企業の皆様方にとって当面の雇用維持というのが最優先の課題になったということも影響しているというふうに考えているところでございます。ただ、この行動計画の策定、中期・長期的に見た場合、企業の成長にとって有効に働く面が大きいところでございますので、私らといたしましては、国の組織でございますが、21世紀職業財団、県、一緒になりまして、助成のメニュー等を用意しておりまして、さまざまなインセンティブ、優先といいますか、そういうのを設けまして活用を促していきたいと思っております。  以上でございます。 17 ◯41番(前田哲也君) 301人以上が98%ということで、101人以上のところは13.7%が義務化されるわけですから、それを100に近づける。また101人以下のところもこれから事業主行動計画を策定していただくという中では、今、部長がおっしゃったようなインセンティブな制度をしっかり制度として設けながら、策定の促進に向けて頑張ってほしいと思いますし、この後期基本計画は、5カ年になっていますが、前倒しできる分はぜひ前倒ししてほしいと思っておりますので、そういう意味では財源の確保をどうするかということと、マンパワーをどうやって確保するかということについては、鋭意知恵を出していただきたいなと思っております。  それと、前期基本計画について、一定進んでいるという評価がありましたけれども、私は保育会や幼稚園協会、学童連絡協議会との勉強、政策要望等に立ち会う中で、前期が5カ年だった中で、この5カ年、それぞれ団体も政策要望しているんですよ。しかし、学童の部分は別としても、幼稚園協会と保育会の要望については、ほぼゼロ回答のような状況がずっと続いてきている。そしてそのことに対しては、非常に現場のほうも戸惑っているというか、何とかしてほしいという切実な思いがある。片や評価されると言いながら、サービスの事業者の提供者であるところに対しては、そういう不満があるというのは、これはどう理解したらいいんですかね。提供者たる現場がやっぱり満足できない環境にある中で、どうして一方において一定進んでいるというふうになるのかということについては、ここに課題があるのかどうかも含めて、どうしてこういうふうな事態になっているのかをご答弁いただきたいと思っております。 18 ◯こども部長(松下貞行君) 再質問にお答えいたします。  保育会、幼稚園協会、それぞれあるわけですけれども、要望事項の中に保育関係につきましては、保健衛生費補助の額の要望もありますように、現行制度に一部でありますが、包含されているものや、幼稚園関係においては、就園奨励費の拡充にありますように、国の制度に即して増額等の連動した対応を行っているものなど、既に地方自治体の負担分を含んだ上で、さらに長崎市の単独分を加えながら実施しているところでございます。したがいまして、長崎市の財政状況を勘案しながらも、保育所における一時保育促進事業への助成の事業の継続、それから幼稚園における預かり保育にかかる保護者への財政助成制度の創設などのように、長崎市の子どもに対する施策の方向性も考慮しながら、現在進めていっている状況でございます。  以上でございます。 19 ◯市長(田上富久君) 前田議員の再質問にお答えして、若干補足をさせていただきたいと思いますが、陳情の折に、今、検討中ですというふうな答え方をしたものについて、それがゼロ回答であったというとらえ方をされた面があるかと思いますけれども、その後、今、こども部長のほうから報告しましたように、例えば、一時保育については、市のこれまでの制度をことしも延長するですとか、あるいは幼稚園に対する延長保育への補助ですとか、実際に実績としては行ってきている面がありますので、そこの辺のとらえ方の差もあるというふうに考えております。  ただ、現場の皆さんがどういうふうに感じるのか、あるいは現場でどういう困り事があって、それをどういうふうに解決するかという点については、おっしゃるように、そこから発想するということが非常に重要ですので、その点については、これからもいろんなお話をさせていただきながら、一緒にどこまでどういうことができるのかということを考えながら進めていきたいというふうに思っております。  以上です。 20 ◯41番(前田哲也君) 市長から答弁いただきましたように、ぜひやはりお互い車の両輪だと思うんですよね。特に保育なんか、法的にも実際の委託業務ですからね、そういう意味では、別に相反する立場じゃないんですから、今までの中で、やはり事前に相談がなかったとか、少し前に言ったことと今度言ったこととは違うというふうなことも含めて、いろんな意味でコミュニケーション不足だと思っておりますので、これは随時部のほうとしてはやっているという認識でしょうが、そういう団体につきましては、定期的にいろんな情報交換、すべてがお願い事ばかりじゃないですから、情報交換を含める中で、よりよいものを築いていくように努力をしていただきたいと思っております。  行政改革につきましては、鋭意努力しているでしょう。これからも頑張ってほしいと思いますし、新たな視点についても、第四次の反省に立って、また頑張っていただきたいと思います。総務部長というか、担当する部署は、ほかの部からしたら、非常にけむたい存在でしょうが、しっかりと頑張っていただきたいということを要望と期待とさせていただきます。ありがとうございました。 21 ◯議長(吉原 孝君) 次は、24番中村すみ代議員。       〔中村すみ代君登壇〕 22 ◯24番(中村すみ代君) 草の根クラブの中村すみ代でございます。質問通告は2項目出しておりますが、1の最終年度に当たっての地産地消推進計画についての(1)は、時間がございましたら自席から質問いたします。  それでは、質問に入ります。  1.最終年度に当たっての地産地消推進計画について。  長崎市は平成18年度、2006年度に長崎市第三次総合計画の目標年度に合わせ、平成22年度、2010年度までを期間とするながさき夢いっぱい地産地消推進計画(以下推進計画とする)を策定しました。この計画は、平成17年、2005年3月、国が策定した食料・農業・農村基本計画の趣旨に基づいたもので、平成の大合併で旧7町が編入合併し、新市誕生したことを契機に、前市長において農業と関連産業の活性化・豊かな食生活の実現を本市の将来像とするために策定されたものでございます。  さて、本市農業の年間産出額は約80億円弱と、他産業と比較し、決して多くはございませんが、農業に携わる農業者の努力により、ビワを初めとする果樹や出島ばらいろのネーミングの肉用牛の生産など、推進計画では最終年度産出額約100億円を目指して特徴のある農業が展開されております。  私は、このような特徴をさらに生かしながら、自給率の向上、耕作放棄地解消、雇用拡大、所得の向上、後継者の育成と課題解決に向けて地道に取り組んでいくことで展望が見え、地域経済を農業振興で下支えすることができるのではないかと考えています。  そこで、平成22年度、今年度が最終年度になることから、以下質問いたします。  (2)ながさき型放牧の取り組み状況。ここでは、肉用牛の肥育における放牧ではなく、繁殖における放牧の取り組みについて質問いたします。  推進計画では、肉用牛の繁殖経営において、ながさき型放牧を拡大し、飼養管理面での省力化を推進し、飼養頭数の増加を図りますとしています。また、長崎市は耕作放棄地の拡大で野山が荒廃し、イノシシやシカなどの有害鳥獣による農業被害も深刻になっています。現在、外海地区では放牧組合を中心に繁殖牛の放牧が行われておりますが、耕作放棄地の解消や有害鳥獣対策にもつながるながさき型放牧の規模拡大などの取り組み状況についてお尋ねいたします。  2.市立野母崎病院の直営による地域医療の維持・継続について。
     長崎市は平成21年、昨年の3月議会において、長崎市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例改正案を議会に上程、賛成多数で可決、平成21年度中の市立野母崎、琴海両病院の民間移譲が決定し、今日に至っています。  長崎市病院局は、民間移譲の理由を次のように説明しています。平成19年度、20年度の2カ年で両病院合わせて約4億円の現金不足が生じており、市民病院から企業借入金で賄っている。この状況が続くと両病院のみならず、市立病院全体の経営破綻を招くことになるとして、野母崎、琴海両病院を切り捨てることにしたのです。  背景には、国の医療費抑制策や新研修医制度等、病院局を取り巻く厳しい環境があることは一定理解するとしても、公立病院改革ガイドラインの先取りで民間移譲を早々と決定したのです。その後の経過はご承知のとおりです。  琴海病院は、2度の公募で移譲先は決定したものの、先週の自由民主党代表質問で、人工透析医療は現在勤務している医師の努力で移譲後半年間は担保されたものの、それ以降の保障がないことが明らかになりました。野母崎病院は、長崎市と合併後、人工透析医療の廃止など合併前の医療水準は大幅に後退、地区住民の不安は増大するばかりでした。その上、昨年、移譲方針により移譲先が決まりましたが、病院局の努力不足によるとしか思えない移譲先予定の病院からの辞退を受け、一転4月から民間移譲方針は堅持したまま、直営での運営を決定しました。  ところが、先週の市民クラブの代表質問で、直営の内容は入院病床を休止し、外来診療だけという現在の医療水準さえ維持できない実態が明らかになりました。医師2名の退職で当直体制が組めなくなることから、現在15名の方が入院されておられますが、現在入院されているベッドも含め、入院病床全面休止をするというのです。この事態に、野母崎地区住民が納得するわけはありません。  2月10日に連合自治会が、地域医療の存続を求める陳情を市長に行いました。市長を初め、病院局は地域医療を守るとこの間主張してきましたが、民間移譲ありきで進めてきた方針によって地域医療の崩壊をもたらした責任は重大だと思います。  そこで質問です。1、4月以降の診療体制は現体制を継続すること、そのために病院局の人事により2名の医師を野母崎病院に常勤させること。2、民間移譲方針を撤回し、直営で合併前の医療体制で運営すること。当然議会としての判断も求められることになるということは申すまでもありません。  以上、壇上からの質問を終わり、ご答弁によって自席から再質問いたします。=(降壇)= 23 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 24 ◯市長(田上富久君) 草の根クラブ、中村すみ代議員の質問にお答えします。  まず、1点目の最終年度に当たっての地産地消推進計画についての(2)ながさき型放牧の取り組み状況についてお答えします。  ながさき型放牧とは、長崎県が推奨しているもので、耕作放棄地や原野などを活用して牛を飼育することにより、管理作業の省力化や飼料代の節減など生産コストの削減が図れることに加え、耕作放棄地の解消と有害鳥獣対策にも有効な手段とされています。  こういったメリットがある一方で、牛が牧場から逃げ出すなどの事故や、ふん尿による周辺環境への影響などの問題もあるため、周辺住民の理解が必要であり、放牧に適した土地の確保が課題となっています。  長崎市でのながさき型放牧の取り組み状況ですが、平成14年度から外海地区において3戸の畜産農家が放牧組合を結成し、約4ヘクタールの土地を利用して繁殖牛約40頭を飼育し、肉用牛の子牛を生産しておられます。さらに、この放牧組合の中で後継者の就農に際して、今月新たに外海地区で約1ヘクタールの耕作放棄地を利用して放牧面積を拡大し、年内に飼育頭数を5頭ふやされると伺っております。  今後の長崎市における放牧の普及につきましては、地形的要因から遊牧地を1カ所で確保することが難しい状況でありますので、複数の耕作放棄地を利用した移動型放牧が有効であると考えています。  放牧の実施に当たっては、移動コストや周辺環境への影響もありますので、畜産農家や周辺住民と十分な協議を行うととも、農協及び農業委員会等の関係機関と連携して支援していきたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 25 ◯病院局長(楠本征夫君) ご質問の2点目、市立野母崎病院の直営による地域医療の維持・継続についてお答えいたします。  野母崎病院につきましては、現時点での民間移譲が不可能となったことから、4月以降も引き続き病院局で運営することとしております。  提供する医療の内容でございますが、常勤の医師1名と市民病院及び成人病センターの内科医師を中心とした応援体制により、外来診療、デイケア及び訪問看護を引き続き行うこととしております。しかし、この体制では医師の宿直体制を維持することが困難であることから、入院につきましては休床せざるを得ないと考えております。  一方、ことしの4月、6月から市民病院内科に3名の医師が大学から増員されることが決定しております。この3名を野母崎病院に充てて現体制を維持することはできないのかとのご質問でございますが、現在の医師供給体制は大変厳しい状況にあり、大学から医師を派遣しようとしても、希望する医療施設でないと大学をやめてしまうということが少なからず起こっています。また、今回、内科医師3名が増員されるのは、新市立病院に向けての現在手薄な脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の体制づくりのために長崎大学に派遣をお願いしてきた経過があり、長崎大学と3人の医師も市民病院を限定しての派遣に応じていただいたものでございます。したがいまして、これらの医師を野母崎病院に異動させることは困難であると考えておりますし、ほぼ同様の理由により、現在市民病院に勤務している医師を野母崎病院に異動させることも大変困難であると考えております。  野母崎病院には、平成17年度までに5名の常勤医師が勤務しており、この体制で当直を実施しておりました。しかしながら、その後の医師の流出により、現在の3名体制で当直を行っておりますが、ぎりぎりの状況で、何とか当直を継続している状況にある状況でございます。ちなみに、日中は普通の医療を続けながら、月に7回から9回の当直をこなしているというのが現状でございます。  今回、新たな医師を加え、3名体制を構築できたとしましても、この3名の医師だけで当直体制を組むのは非常に無理があり、結果として医師の疲弊感による新たな流出を招く可能性が大きいものと思っております。  この点に関しましては、本年度、長崎県が設置した公立病院等改革プラン推進委員会からも、公立病院が入院を必要とする救急医療を24時間体制で提供する使命を有していることにかんがみ、常勤医師が6人未満の公立病院では医師の勤務が過重になること、医療レベルの確保が困難なことから、原則として診療所化することを県の医療政策の方向とし、支援、助言を行っていただきたいとの報告もなされております。これに基づきまして、実際、上五島町では3病院を1病院、2診療所という形で運営することとしております。  野母崎病院の長期的な方向性につきましては、人口の減少や高齢化が進む野母崎地域における医療の継続の方法として、病院、あるいは診療所のどちらの形態をとるのか、その際、施設の一部を福祉的に活用するのかなどといったいろいろな選択肢について、改めて検討したいと考えております。  なお、野母崎病院の今後の方向性を決定していく際には、地元の皆さんのご意見も十分にお聞きして進行していきたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯24番(中村すみ代君) ご答弁ありがとうございました。  最初に、市長にながさき型放牧について、ちょっと要望も含めて手短にお話しします。  市長は、この高野放牧組合で放牧している現地を見られたことがありますか。 27 ◯市長(田上富久君) 中村すみ代議員の再質問にお答えします。  放牧の現場は、まだ拝見したことはございません。 28 ◯24番(中村すみ代君) 市長、ぜひ、私も一緒にいいですから、放牧組合で放牧しているところをぜひ視察してください。場所は、国の重要文化財に指定された大野教会からさらに山間部に入ったところです。これは、本当に市長が日ごろおっしゃっている小さく産んで大きく育てる、まさにそれを実践しているところです。  私は、2年前に同じようにこの議会で質問するために現地視察をしました。そのときにいろいろお話を伺って勉強になったんですけど、母牛の体力がつくんです。大体妊娠して10カ月体内に、人間と一緒ですけれども、体内で赤ちゃんは育つんですけど、運動するために、大体2カ月置いて次の妊娠というのが通常なんだそうですけど、もう1カ月で妊娠できるということで、1年間に2回妊娠できるということで、非常にこの放牧による繁殖というのはすばらしいと。そして、先ほどご答弁でも後継者が育っているということで、これは本当にながさき型放牧を、長崎市の農業のビワと2枚看板でぜひ進めていただきたいということを要望しておきます。  市長さん、ぜひ現地調査していただきたいんですけど、いかがですか。 29 ◯市長(田上富久君) 中村すみ代議員の再質問にお答えいたします。  畜産の現場については、これまでも何度か見せていただいたことがあるんですけれども、放牧についてはまだ拝見したことがございませんので、ぜひ一度見せていただきたいと思います。  以上です。 30 ◯24番(中村すみ代君) じゃあ、ぜひ市長、調査してください。それで安心しました。  2番目の野母崎地区の病院の問題なんですけど、まず、病院局長にちょっとお尋ねいたします。  野母崎地区は人口が約6,500人なんですけど、医療機関は何カ所ありますか。 31 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。  野母崎病院も含めまして、現在、医療機関は3施設だと思います。だけど、ことしの3月末で1診療所が廃止されると聞いております。  以上でございます。 32 ◯24番(中村すみ代君) 野母崎病院以外に医療機関3カ所なんですね。4カ所あるんですけど、内科の開業医の方が3月で廃院ということで、3カ所のうち2カ所は歯医者さんなんです。  つまり、何を言いたいかというと、6,500人の人口がいる野母崎地区に、本当に医療過疎地帯だと思いますけど、そう思いませんか、病院局長。 33 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。  6,500名の人口があるということも承知しておりまして、野母崎地区の中でも野母地区と脇岬地区にそれぞれ2,500人いるということも承知しております。そういうことで、あそこに絶対的に医療が必要である、医療機関が必要であるということは認識しておりますし、今後もその方向で医療を守るということを続けていきたいとは思っております。  以上でございます。 34 ◯24番(中村すみ代君) そういう野母崎地区の医療環境を、民間移譲方針を決定するときにこのような事情を考慮されなかったんですか。そもそも民間移譲方針は間違っていたと思いますけれども、今の時点で、局長はこの民間移譲方針というのは間違っていないと今でもお考えですか。 35 ◯病院局長(楠本征夫君) 民間の病院と公的な病院の違いがどこにあるか。公的な病院というのは、やはり不採算とか、あるいは過疎地の医療を守るというのが義務であるということはよく承知しております。しかし、あそこの野母崎で5,000人の人口の医療を行うということで、民間でやれないということはないと、そのように判断しております。  その条件といたしましては、あそこの病院そのものを65の病床のままで維持していくのはちょっと不可能ではないかと思いますし、医療部分は現状に合わせましてある程度縮小する。そのほかの部分を、高齢者を中心とした施設にするというのが町の方のご希望、アンケートによる希望なんですけど、ご希望でもあり、あり方検討委員会でもそういう方向性というのを示されたと、そのように思っております。  以上でございます。 36 ◯24番(中村すみ代君) 先日、野母崎地区に私伺って、住民の皆さんにいろいろお話を伺ったんです。そのときのことをちょっと紹介します。  まず、1、医は仁術と思うが、病院局がやっていることは算術ではないか。仁術をとるのか、算術をとるのか。  2、自分たちは長崎と合併したら今よりも医療は充実すると期待感を持っていたが、実際は全く逆の事態。人の命を預かる医療を赤字でも存続させるべき。  3、院長みずから週3回も当直してくれたと、病院局はこのことを評価していたのかと、評価すべきではなかったかと、その先生でさえやめる決意をしなければならなかったと。  4、記念病院自体は病院の責任ではない。病院局の拙速さ、頓挫したのは市の責任。民間移譲はお荷物の野母崎病院から身軽になりたいからではないか。病院局が一生懸命やっているようには見えない。  そして、さらに野母崎病院の医療水準の後退でどんな悲劇が起きているのか、具体的な事例を3つ紹介します。  1、妻は人工透析患者で、野母崎病院に透析施設ができて安心して半身不随の夫を自宅で介護できていましたが、透析医療が廃止になり、いろいろな経過の後、県外の子どもさんのところに転居。環境の変化などで間もなくご夫婦とも亡くなられたということです。野母崎におられたら、もう少し長生きできたのではないかと。  2、夫がデイケア、入院しなければならなくなったわけですけれども、4月からは入院ができなくなるので、旧長崎市に転宅を決断。  3、60代の女性、これはバス停で私バスを待っていたら、一緒にバスを待っておられた女性の方です。外来患者さんです。4月から主治医が退職。診察時、先生、行かないでくださいと訴えたそうです。私に涙ながらに言われました。  こういった医療水準の後退によって、本当に住民の間に不安といろんなものが広がっているということがわかりました。今、紹介した事例は少ないかもしれませんけど、私には野母崎地区の住民の皆さんの本当総意ではないかと思うんです。  それで、先ほど病院局長の答弁で、最終的に今、病院局が考えておられるということは、新上五島町で実施したような、公立病院で6人未満のお医者さんの医療機関は原則として診療所化するという、これは県の方針ですか。で、病院をとるか、診療所をとるか、改めて決定すると。ここが今の病院局の検討のテーマになっているということですか。  つまり、民間移譲方針は撤回して、直営でこういった今お話ししたようなことを病院局として模索しているということですか。ちょっと確認です。 37 ◯病院局長(楠本征夫君) 上五島町の例を申しましたけど、あれは正確に野母崎町と人口構成が一致しているものではございません。ただ、そういう医療提供側の姿勢からして、3人体制で病院として維持するのは不可能である。そういうことをちょっと申し上げたことなんですけど、野母崎に関しましては、議員おっしゃいますように6,500人の人口があるということで、そこにやっぱりそれなりといいますか、それをカバーするだけの医療は絶対的に必要であると思います。  だから、それに向かって進めていくのは間違いございませんけど、当初の目的でありましたベッドが幾つ必要なのか、どのような患者さんを入院させる必要があるのかというのは、いろいろ検討する必要があると思います。  例えば、きのうもちょっと住民の方といろいろ話したんですけど、この規模の病院で、例えば、心筋梗塞とか、脳卒中とか、がんとかというのは、なかなか現在の進んだ医療というのは困難であると。だから、そういうのはやはり中心部にある施設の整った病院でやる。だけど、日常的な医療というのは、やはり絶対的にあそこに必要でございますから、その医療を提供する体制は確保すると。だから、今からの医療の状況、医師の状況によって、そこがどういうところで落ちつくのかというのが今後の検討状況ではなかろうかと、そのように思っております。  以上でございます。 38 ◯24番(中村すみ代君) にわかに民間移譲方針を撤回するということについて、この場でご答弁しにくいということもあるかとは思いますけれども、病院局長としては民間移譲方針を撤回して、そして、やはり直営でということでいろいろ模索をしているということで先ほどの答弁を私は理解したんですけど、それでよろしいですか。 39 ◯病院局長(楠本征夫君) 本議会で移譲ということは一応議決いただいておりますから、それを私の一存で変えるということはなかなか不可能でございます。だけど、その後の医療情勢というのは変わっているということも事実でございますから、それに合わせた検討というのは進めていくことになるのではなかろうかと、そのように思っております。 40 ◯24番(中村すみ代君) そういうことで、直営ということを模索しながらしていくというようなご答弁だったと思いますけれども、それにしても、仮に直営という場合に無床の診療所化とか、そういう方向性をもし探られているとすれば、私はもう絶対認めたくないし、やはり合併前の医療水準にぜひ戻すべきだというふうに思っております。  それと、この際ちょっと私、お話ししたいんですけど、病院局の医師は市の職員です。それから、野母崎の地区の住民は長崎市民です。病院局の市の職員である医師が、野母崎の市立病院がこういう状態になっているというときに、同じ市民の命を守るというふうに病院局の医師の皆さんは思わないんですか。ちょっとお尋ねします。市職員であるということの認識というのを医師がどの程度持っているかということについてお尋ねいたします。 41 ◯病院局長(楠本征夫君) 医療を守るということに関しましては、全員相当の情熱を持って取り組んでいると思っております。だけど、さっき申しましたとおり、どのような種類の医療を行うのが適当なのかというのは、これはいろいろ医師それぞれの考えによっても違いますし、あるいはいわゆる総合医療といいますか、そういうものを行う医療というのは別にございますし、肺がんの専門家があそこに行ってもなかなか通用しない、肝臓がんの専門家が行っても通用しないということで、なかなか難しい点はありますけど、今後、そういう意味で市民病院の医師も何かせんといかんというのは十分に思っておりますから、そういうことで今度の4月から、ちょっと自分の仕事というのはいろいろ調整しながら野母崎病院の診療を続けようという、そういう意気込みと理解をしております。 42 ◯24番(中村すみ代君) 最後です。こういう機会ですから、病院局の先生方にも地域医療を研修していただいて、そして、医師としても大きく市民に、今も責任持って診療されていらっしゃると思いますけれども、今まで以上に頑張っていただきたいというふうに私思っております。  それで、繰り返しになりますけれども、4月以降は直営で、ぜひ内容については地元の住民の皆さんと相談しながら、また、議会とも相談しながら、あるべき地域医療の姿を実現していただきたいというふうに思います。 43 ◯議長(吉原 孝君) 次は、27番井原東洋一議員。       〔井原東洋一君登壇〕 44 ◯27番(井原東洋一君) 長崎市民会議の井原であります。  まず、県市の連携強化について質問いたしますが、このことは前田議員の提起もありましたので、壇上からはもう一歩進めた私の提案をさせていただきたいと思います。  私案ですが、N&T、4K政策であります。すなわち新しい知事中村、ベテラン市長田上及び経済、雇用、観光、国際の頭文字をとってN&T、4K政策と申したいと思います。  私は、この政策の一元化の推進のための官民合同の機関をぜひ設けていただいて、権限と財源と責任を付与する組織体の構想について市長の決意を伺いたいと思いますが、詳しくは再質問で取り上げたいと思います。  2番目に、平和行政について。  1つ、平和市長会議が果たす役割。  核兵器廃絶、世界恒久平和への道のりは、2009年4月、プラハにおける米国オバマ大統領の核兵器なき世界発言で世界じゅうに一つの流れを起こしていますが、もろもろの困難の前に失速の心配があるのも現実であります。ノーベル平和賞を受賞したときのオスロにおけるオバマ大統領の演説からもそのことが伺えるのであります。  このような中で、オバマジョリティーとか、あるいはオバマリズムなどの造語が流行していますが、それぞれがみずからの努力を怠り、オバマ頼りに陥ってはならず、我が国は唯一の被爆国日本の責任として、核兵器廃絶へのリーダーを果たさなければなりません。  核兵器なき世界の実現には、国家間の協議進展への努力が当然のことではありますが、平和を目指す世界じゅうのNGOの力を結集する重要な役割を担う中核には被爆都市広島市と長崎市が位しており、平和市長会議への参加各都市が自国政府へ強力に働きかける機運を促進する主役が秋葉市長であり、田上市長であります。  2020ヒロシマ・ナガサキ議定書について言えば、2020年度核廃絶実現を祝うオリンピック開催などの全く的外れな妄想には、日本政府の関心もほとんどなく、2020議定書そのものを重視している気配さえ感じられません。広島、長崎の両市長は、国威発揚、メダル至上主義の商業主義に包み込まれているオリンピックを平和目的に利用しようなどとするたくらみからは完全に決別し、むしろ核兵器廃絶宣言をした国を厳選の上、平和の金メダルを世界賞として創設することのほうがよほど得策であろうと思いますが、今度は逆に田上市長、秋葉市長に提案してはいかがですか。  今、日本政府の力点は、日豪の元外相などによる賢人会議の提言や、日豪外相による共同声明を重視し、消極的安全保障や核兵器保有の唯一の目的の実現に重点を置いているように思われます。平和市長会議の重責を担っておられる田上市長は、政府とNGOとの間にある核兵器廃絶に関する考え方の格差を直視され、平和政策を前進させるためにはどのように具体的な努力を行われるつもりなのか、その決意について質問いたします。  2つ目は、原爆被爆者対策の充実についてであります。  原爆被爆者は、放射線障害の特異性から後遺障害及び晩発的恐怖にさらされながら、被爆後65カ年間には直爆死亡者に倍する原爆死没者を数え、今なお病床にあり、また、みずからの健康管理に心身をさいなまれている人々も数多いのであります。近年、行政の怠慢と消極性を突き崩してきた裁判の勝訴の後追いにより、各種施策の前進が見られてきましたが、それぞれの事業推進のスピードが決定的に遅く、死を待つばかりにある事態を注視し、打開すべきであります。  その上、全く手がついていない事業に被爆二世対策があります。この二世対策と長崎市が国に強く求めている事業のスピードアップ及び重粒子線治療施設整備の3点に限定して答弁を求めるものであります。  3番目の課題は、民意の尊重についてであります。  1つ、上長崎地区ふれあいセンターの早期着工について。  上長崎地区ふれあいセンターの建設は、本来ならば第1号として昭和62年度事業のはずでありました。行政判断の犠牲により、4分の1世紀おくれになっています。済生会病院跡地への早期建設は、伊藤前市長と地域とのかたい約束、つまり伊藤さんの遺言であります。既に旧済生会病院は取り壊され、今月末には恐らく更地となり、市有敷地は返還のときを迎えていますが、市が隣接地の買収におくれをとったため、都市公園にも満たない狭い土地利用となっていることは、まことに残念な結果となりました。  市長は、この狭い土地に民間と子どものために認定こども園を新設提供するような計画に熱意を示しておられますが、地域団体や周辺の社会福祉、教育法人等の反対動向もある中では、オリンピック招致手法での頭越しでは甚だ迷惑で賛成できるものではありません。このことは、既に関係部門に伝えてあるとおりであります。  市長は、これまでのおくれの反省の上に立ち、地域の動向を正しく受けとめるべきで、時間稼ぎは御免です。市の成案をもって地元に説明するとの考え方を改め、地元意見をもとに成案を練り上げて具現化する姿勢に立ち戻り、着工及び完成時期を明示して、計画案の共同作業に着手すべきであります。6月補正に予算化する決意を示されるよう求めるものであります。  2つ目は、桜ヶ丘幼稚園問題の再検討についてであります。  このことを改めて取り上げる理由は、さきの議会での議決及び請願不採択の結果に異を唱えるものではなく、このことにかかわる過程での行政手法の非民主性を指摘するものであることを改めて申し上げておきます。
     自治体が行うべき固有の事業や市民及び各種団体の要望実現を含む市の行政事務では、関係者の間に十分なコミュニケーションが図られ、理解と納得と協力が得られた上での行政執行が望ましいことだと思います。しかるに、市長が行政目的を一方的に押しつける場として悪用された典型的な例が桜ヶ丘幼稚園問題であります。  協議の中心的課題となるべき幼児教育の重要性を全く外に置き、財政負担や公金使途の公平性、果ては民間での引き受け手がないなど、教育を経済原理と費用対効果の面でしかとらえない幼稚な方針を盾に、まさに子どもじみた空虚な時間を浪費した上、一方的に協議を打ち切るという愚を正当化しようとしています。  市長は、一般的、普遍的に協議の解釈をどのように考えておられるのか、このことについては子どもだましのような部の考え方を聞くものではなく、責任者たる市長に答弁を求めます。  以上、壇上からの質問といたします。=(降壇)= 45 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 46 ◯市長(田上富久君) 長崎市民会議、井原東洋一議員の質問にお答えします。  まず、1点目の県市の連携強化についての(2)共同組織の発足についてお答えします。  県市が連携し、事業を推進することは、県市の発展には大変有意義なことでありますが、一体となった共同組織につきましては、県市の果たすべき役割分担も踏まえ、一番有効な手法で対応していく必要があるものと考えております。  現在も、県市が協力、共同して事業を推進するために、大河ドラマ「龍馬伝」による観光の情報発信、あるいは世界遺産登録推進、国際観光船の受け入れなどで協議会や推進会議等の組織を設けるなど、さまざまな形で県市連携を実施しているところであります。  今後とも、連携を要することが必要な場合は県とも十分に協議を行って、また、民間の皆様も交えて、適時最も効果的な県市連携体制を図っていきたいと考えております。  次に、2点目の平和行政についての(1)平和市長会議が果たす役割についてお答えします。  平和市長会議は、ことし3月1日現在で加盟都市数は135カ国・地域、3,680都市となり、都市が連帯する国際的なNGOとして大きな影響力を持つようになりました。平和市長会議では、2020年の核兵器廃絶に向けて、ヒロシマ・ナガサキ議定書の2010年核不拡散条約再検討会議での採択を目指して、日本政府を初めとして協力を求めてきたところです。  現在まで議定書の提案国が見つからない中で、2020年の核兵器廃絶は今後の進み方次第となりますが、平和市長会議では、核兵器禁止条約締結を目指す多国間交渉の開始を提案するなどの新しいアイデアも既に検討しており、今後、議定書の趣旨を生かした新しい展開も期待されます。  一方、長崎市では、ことし2月には第4回核兵器廃絶─地球市民集会ナガサキが開催されました。NPT再検討会議に向けてNGOが連帯を深めたところであり、5月のニューヨークでのアピール活動も団結して取り組んでいく予定です。  また、8月には広島市においてNPT再検討会議の結果を受けて、(仮称)2020核廃絶広島会議の開催が予定されており、NGOや平和市長会議の加盟都市が次は広島に集結して、2010年以降の取り組みに向けて結束をさらに固めていきます。  さらに、11月にはマンチェスター市において、非核都市宣言30周年記念式典が予定されており、平和市長会議加盟都市の会合も予定されています。  私は、こうしたさまざまな機会をとらえて、被爆地の市長として、また、平和市長会議の副会長として、日本非核宣言自治体協議会の会長として、NGOとのネットワークを生かしながら、2020年の核兵器廃絶に向けて、今後とも粘り強く努力を重ねていきたいと考えています。  次に、2点目の(2)原爆被爆者対策の充実についてお答えします。  まず、1点目の被爆二世の問題につきましては、放射線影響研究所において、原爆放射線の遺伝的影響に関する調査研究の継続が決定されておりますが、被爆二世の方のがんに対する健康不安の解消のため、がん検診を含む健康診断の充実と、その前提としての実態調査について、引き続き国のほうへ要望していきたいと考えています。  2点目の長崎市が国に強く求めている事業のスピードアップについてですが、まず、原爆症認定制度につきましては、ことし1月に開催された長妻厚生労働大臣と原爆症認定集団訴訟の原告側との協議において、大臣から認定基準の緩和に向けた被爆者援護法の見直しの検討や、審査待ちの解消を目指す審査処理計画の策定などの方針が示されたことから、できるだけ早く具体的な内容を明らかにしていただきたいと考えています。  次に、在外被爆者につきましては、居住国における保健、医療制度の違いなどから、国内の被爆者と同等の援護が十分に受けられていない状況にあることから、医療に要する費用の支給について、それぞれの居住国の実情に即した制度への改善を図っていただきたいと考えています。  次に、被爆体験者への支援事業につきましては、平成21年度からの認定基準の見直し等により一定の改善が図られました。しかしながら、対象が長崎県内に限定されていることから、国における居住要件の撤廃に向けた適切な対応を求めていきたいと考えています。  3点目の、被爆者援護対策の一環としての重粒子線治療施設の設置につきましては、昨年7月に長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会での国や国会議員への要望活動や、8月には被爆者団体から政府代表へ設置の要望を行ってきたところでございます。  現在、国において研究班を設置し、がん対策として既存の治療法との比較検討を行っている状況ですので、引き続き国の動向を注視しながら、設置の要望を行ってまいりたいと考えています。  被爆者の高齢化が進む中で、諸課題への速やかな対応が必要であると認識していますので、議員の皆様のお力添えをいただきながら、被爆者援護対策のより一層の充実を国に強く求めてまいりたいと考えています。  次に、3点目の民意の尊重についての(1)上長崎地区ふれあいセンターの早期着工についてお答えします。  当地区でのふれあいセンターは、済生会病院跡地の市有地部分に建設することで市の方針を固めておりますし、全中学校区の中で最後となるふれあいセンターでございますので、できるだけ早い時期に整備をしたいと考えています。  また、跡地活用について、地元の皆様からは、ふれあいセンターだけではなく、地域のイベント等も開催できる多目的な広場の要望も強く、公園の適正配置の考え方からも公園整備の必要性は高いものと考えております。加えて、この地域での子育て支援機能の充実も重要な課題と考えています。  しかしながら、済生会病院跡地の市有地部分は、議員ご指摘のとおり決して広いとは言えない面積ですので、この土地を地域全体の活性化に資するよう有効に活用するために、先ほど述べたような機能をどのように盛り込むか、早急に議論し、その上でできる限り早く地元の皆様に対しまして、跡地全体の活用策のたたき台をお示ししたいと考えております。  次に、3点目の(2)桜ヶ丘幼稚園問題の再検討についてお答えいたします。  協議の解釈ということでございますが、今回の桜ヶ丘幼稚園の今後のあり方に係る協議会につきましては、廃園についてご理解いただき、今後の跡地活用を協議させていただく場として、広く保護者や地元の皆様のご意見をお聞きしながら、跡地をどういうものにするのか、お話し合いをさせていただくことで開催をさせていただきました。  幼稚園のあり方につきましては、市全体の幼稚園のあり方、あるいは子育て政策のあり方などを勘案する中で、総合的に市の責任において廃園の方針決定を行いました。また、その跡地の活用につきましては、より地域性が強いということもありまして、地域の皆さんのご意見をお伺いしながら、ともに案をつくっていきたいということで、協議会という形で開催をさせていただきました。  その意味で、桜ヶ丘幼稚園の廃園につきましては、これは市として責任を持って方針を示さなければならない事項でありますので、これについてご理解を求めるということとともに、その跡地の使い方については、地域の皆さんのご意見をお伺いしながら検討していきたいということで協議会の開催をさせていただいたということでございますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 47 ◯27番(井原東洋一君) 答弁をいただきましたが、異論もありますし、再質問をいたします。  まず、幼稚園のあり方に係る協議会のことから入りましょうか。  実は、幼稚園の廃園の説明がありました以降、長崎市こども部との間に任意の勉強会を何回も続けてきております。その中で、もともと廃園という方針だったのを、場合によっては認定こども園という方向はないのかということも検討の、あるいは話し合いの課題になっています。  そして、その実現性を図るときに、公営なのか民間なのかという問題での対立がありました。それはもう当然のことだというふうに思います。  そしてまた、同時に幼児教育というものをどう見ているのかということについて、非常に私たちも桜ヶ丘会という会を立ち上げて学習もしましたし、長崎市の現状の考え方、姿勢、そういうものを改めていただくよう申し入れもしてきたところであります。  そういう中から、桜ヶ丘幼稚園の今後のあり方に係る協議会というものが立ち上がったわけです。したがって、初めから、市長が言われるように廃園を前提として、跡地をどうするかの協議会ならばそういう会に入るはずがないわけであります。その客観性はぜひ理論的にも認めていただきたい。それをねじ曲げて、初めからこれは廃園をするということを前提で、しかも、その後の跡地利用についての協議会だったんだというふうに曲解するというか、ねじ曲げて説明することは、私は欺瞞だと思うんですよ。  昨日明らかになりましたように、16人の委員を推薦している団体の中の5つの団体がすべての委員を引き揚げました。16名中11名です。しかも、16名中15名は、さきの請願に、ぜひ協議の場に立ち戻らせてほしいという強い要望を持って請願人となっているわけです。そういうことで、全く無視していることは、市長、あなたは協議会の体をなしているというふうにお考えですか。  一番、最も重要な教育というものの充実ということについて、どのようにやってきたんですか。民間はすべて3年保育を採用している。3歳児保育は国の方針でもある。しかも、幼小連携という非常に重要な課題がある。かたくなにこれを公立だけには、2カ年保育に限定しているということは、そしてまた、募集事務などは年にただ1回、10月の広報紙に出すだけじゃないですか。それで、幼児教育の重要性を訴えているんですか。  市が廃止方針を決めたにもかかわらず、ことしは6名ふえています。将来方向の見誤りがあったのではないですか。そういう客観情勢もないままに、今度は別の場所に認定こども園をつくるんだと。片方では廃止と言う、片方ではつくるんだと言う。じゃあ、そこに待機児童はいるのかと。保育園の待機児童はゼロですよ。そういう机上の空論を地元に押しつけるというやり方はぜひ改めてもらいたい。特にこの点については指摘しておきたいと思います。  ふれあいセンターについては、一定の方向性が示されたと思います。あそこに認定こども園などをつくって、園庭の筆数、400平方メートルと言われておりますけれども、そういうものを併設することは、これは無理です。地元活性化の拠点として待望している公園機能を持った広場としての機能は果たされません。  したがって、このことは企画財政部を通じて、地域の意思としては十分に伝えているはずです。そのことがこども部に伝わっていないんです、まだ。1週間たっても、2週間たっても。内部体制はどうなっているんですか。  これだけにこだわるわけにはいきませんが、平和行政について、市長、世界の活動の中心的な役割を担われて活動していることは十分評価をしておりますが、5月に国連で開催されるNPT再検討会議に、私が所属する長崎被爆者手帳友の会も5名の代表を任意で、自費で参加させます。  さて、会議には市長及び議会を代表する吉原議長も公費で参加されるわけですけれども、公式行事の内容、公式行事の日程及び期待される成果について、ぜひこの際明らかにしていただきたいと思います。まず、この点にとどめます。 48 ◯原爆被爆対策部長(金谷博己君) 再質問にお答えいたします。  ことし5月3日から28日まで、ニューヨークの国連本部で開催される5年に一度の核不拡散条約NPT再検討会議に市長、議会の代表等が出席するための予算を今議会に上程いたしております。  参加予定の主な行事といたしましては、5月1日のNGO主催会議、2日の国連からセントラルパークまでの世界のNGOや市民による平和行進と平和大集会、4日の平和市長会議主催会議、7日にはNPT再検討会議の中でNGOセッションが行われる予定です。  最終的な行動日程が決定するのは訪問直前になりますけれども、市長、議会の代表ともに可能な限り、さまざまなNGOによる会議等に出席をし、また、空き時間を利用し、国連の各国政府代表や米国政府高官等にお会いし、核兵器廃絶を訴えるとともに、オバマ大統領を初め、各国指導者の被爆地訪問を要請することといたしております。  また、世界じゅうから集まったNGOや市民と連帯して、核兵器のない世界の実現を訴えることとしています。特に、7日のNPT再検討会議でのNGOセッションは各国政府代表の方々にアピールする絶好の機会ですので、被爆地の市長として、核兵器による惨状を世界に訴えるとともに、被爆地の願いを伝えることといたしております。  以上でございます。 49 ◯27番(井原東洋一君) 広い公務というふうに解釈しておきましょう。私たちの活動とどう違うのかなということについて、もう少し聞きたかったんですが、現地に行っていろいろとまた共同行動をとる中で私も感得してまいりたい。感得というのは、得てまいりたいと。監督するんじゃないですよ。状況を得てまいりたいというふうに思っております。  さて、県市連携ということを市長、しきりと言われますが、私は県市連携じゃなくて、県市一元化というふうに、実はもう少し進んで考えて提案しているわけです。  過去に幾らも県市一元的なものがあります。例えば、長崎旅博覧会なども、民間を含めて、これは連携というよりもう少し深度のあるものだったと思います。それから、長崎歴史文化博物館もまさにそうだというふうに思っております。  特に観光部門を言うと、県には長崎県観光推進本部、長崎県観光連盟、長崎市には長崎市文化観光部、長崎国際コンベンション協会というのがあります。ポスターとか、行動計画とか、いろいろそれぞれありますが、何かこれは一体化できないものかと、普通そう思うんじゃないでしょうか。何も長崎市だけの問題ということじゃないですよ。長崎県全体も観光地ですから、その中核にある県都長崎市がやっぱり一緒になってやるということは、非常にこれは県全体のいろんな面での浮揚に役立つというふうに思っているわけです。これは観光面だけじゃないと思いますよ。  例えば、物産にしましても、これは目的があるということを聞きましたけれども、長崎俵物、これは水産物に限っていますけれども、長崎市特産推奨品指定というのがあります。俵物が、役所はわかっているかもわかりませんけれども、一般市民とか、観光客とか、俵物が何で推奨品がどうなのかということ、よくわからないと思うんですよね。よく聞いたら、俵物はデパート方式、推奨品は量販店と、それなら小さな店で売っておるのは何ねというようなことになりかねませんが、グレードをつけるというような形で、差別化を図るのも一つの方法かもわかりませんけれども、しかし、少なくとも物産あたりについては、長崎県市連携をとって、呼びやすいものにしたほうがいいんじゃないでしょうか。俵物と特産推奨品、その他というふうに分けるのではどうかなというふうに思っています。  ですから、雇用問題も長崎市は長く県の所管というふうにしてきておりましたけれども、最近少し力を入れてきておるようでありますけれども、しかし、例えば、ランタン祭りで雇用は幾らふえたのか、毎年8,000万円、去年の実績は9,200万円補助をしながら、ほとんど長崎市の職員が、課長、次長クラスが交通整理にちょうちんを振っているというふうな状況なんですよ。私は、あなたが働くことによって3人雇用が減っているというふうに直接言っているわけですが、ランタン祭りだって雇用の視点があっていいと思うんです。  三菱がどうなるかわかりません、知りませんが、あるいはSSKがどうなるかわかりませんが、専門家の話ではここ一両年に3万人の失業者が出るというふうに試算されているわけです。長崎はその直撃を食らう可能性もあるわけであります。したがって、もっと雇用については県市一体になって、まさに一元化した政策をとっていくべきだというふうに思います。  最後にもう一つ、桜ヶ丘問題に触れますが、昨日、11名が召還をされて、委員会を離脱しました。今後、どうされるつもりですか。5人でやるつもりですか。その点をお聞きします。 50 ◯こども部長(松下貞行君) 再質問にお答えします。  先ほどからあるように、16名の委員のうち、11名が召還されましたという状況でございますが、今まで5回開いております。その中で今度6回目を開こうとしておりますが、昨日来の今議員ご指摘の点を含めて、そういうような状況を5名の方の委員に説明し、6回目を開こうと考えております。  以上でございます。 51 ◯27番(井原東洋一君) まさに非民主的な行政のきわまりと指摘しておきたいと思います。  以上、終わります。 52 ◯議長(吉原 孝君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 正    午=           ───────────           =再開 午後1時0分= 53 ◯議長(吉原 孝君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。40番田中洋一議員。       〔田中洋一君登壇〕 54 ◯40番(田中洋一君) 2月26日、我が会派の柳川八百秀団長の先陣で始まった平成22年2月議会の論戦も本日で終わりとなります。2月議会の論戦のしんがりを務めることになりました市民クラブの田中洋一です。よろしくお願いいたします。  質問通告に基づき、以下質問しますので、市長並びに関係理事者の簡潔で明快な答弁をお願いいたします。  1.環境対策について。(1)CO2削減の取り組み。  長崎市は、平成21年3月に市民、事業者による省エネルギー活動などの取り組みの促進及び市が実施する温室効果ガス削減のため、各種施策を掲載した長崎市地球温暖化対策実行計画を策定しております。この計画では、京都議定書に基づく我が国の目標値をもとに、長崎市全体の温室効果ガス排出量を平成24年度までに平成2年度比6%、15万トンの削減を目標としております。  また、平成21年8月に設立した公募委員を含む市民、事業者及び事業者団体、関係行政機関等30人で構成する長崎市地球温暖化対策実行計画協議会において、重点的に取り組む施策として環境活動を広げるネットワーク構築、地球環境を守る市民運動の展開、環境教育、学習などの推進など、9項目の重点アクションプログラムについて積極的な事業展開を図るとの方針が示されています。  このような方針をもとに、長崎市として6%削減へ向け、どのような具体策を考えているのか、お尋ねをいたします。  (2)BDF燃料の活用について。  廃食油を再活用し、BDFと言われるディーゼル用燃料が製造されています。このBDFというのは、バイオディーゼルフューエルの略で、菜種油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油などの生物由来の油、あるいは廃食油などの植物油からつくられるディーゼル用燃料の総称であり、バイオマスエネルギーの一つであると言われています。  このバイオマスエネルギーは、燃焼によってCO2を排出しても、大気中のCO2総量がふえないカーボンニュートラルで、従来の軽油にまぜてディーゼルエンジン用燃料として使用できるため、CO2削減の手段として注目されています。また、従来の軽油と比較して硫黄酸化物がほとんど出ないという利点もあります。  このような特徴を持つBDFを本市におけるCO2削減の手段として、また、廃食油のリサイクルの視点から、パッカー車などのディーゼルエンジン燃料として活用する考えはないか、お尋ねをします。  次に、(3)エマルジョン燃料の活用について。  重油と水を同化剤を使って混合させたエマルジョン燃料が県内の企業で開発されています。この企業が開発したエマルジョン燃料の特徴は、従来のエマルジョン燃料が数日たつと重油と水が分離するため、使い勝手が悪く、利活用が広がらなかったのに対し、混合させた燃料が水と油に分離しないことに大きな特徴があり、今後活用されていくものと思われます。  この燃料を使った実証実験が昨年度、新エネルギー導入促進実証事業として、佐賀大学、長崎総科大などの協力を得て、唐津市や漁協、農協、水産加工団地などで構成する唐津西港地域バイオマス事業実施委員会で行われています。  この実証実験によると、重油と水の混合割合は8対2で行われ、昨年5月には協力した大学からの結果報告書も出されています。それによりますと、水が20%混合されているにもかかわらず、重油100%時と大差ないデータが出ており、漁船やハウス用ボイラーの燃料として十分活用できると思われます。このデータをもとに、今後の本格導入に向けた検討が加えられている状況にあります。  このエマルジョン燃料の最大の特徴は、CO2の削減効果にあります。水が20%混合された分、CO2が20%削減されるわけで、平成24年度までに平成2年度比の6%削減することを目標としている長崎市でも、市の公共物で使用する重油燃料をエマルジョン燃料に切りかえることでCO2の削減ができると考えますが、その検討を行う考えはないか、伺います。  次に、大きな2番、国道202号の整備促進について伺います。  女神大橋の開通と大型商業施設の開業もあり、福田地区の交通量は確実に増加しています。これに加え、来年度には長崎南環状線が開通し、女神大橋と高速道が直結することから、福田地区を通過する車両はさらにふえることは確実です。こうした状況の中で、地元の強い要望もあり、国道202号については若干の改良工事は行われたものの、整備、拡幅工事の進捗は遅く、車道、歩道とも狭く、また歩道がない箇所もあるため、通学児童・生徒は大変危険な状況にさらされています。  地元ではこうした状況の改善を求めて、2005年、平成17年8月、福田地区自治会連合会を中心に福田バイパス建設促進期成会が結成され、国道202号の整備と交通安全対策及び福田バイパスの早期着工を求め、市長に対し何度も要望を行っているところであります。  長崎南環状線の開通が間近に迫る中で、その対策は喫緊の課題であり、早急にこの問題の解決へ向け、強力に取り組みを進めていただきたい。  具体的には、長崎市の道路計画では福田バイパス(仮称)は構想となっていますが、これを仮称の冠を取り除いた計画に格上げしなければ、この問題を解決することはできません。一刻も早く計画へ引き上げる必要がありますが、この問題について市長はどのようにお考えか、見解をお尋ねします。  次に、長崎県南部広域水道事業について伺います。  諫早市の本明川ダムを水源とする長崎県南部広域水道整備事業が関係する2市2町の自治体で構成される一部事務組合、長崎県南部広域水道企業団によって進められています。  私はこの問題について、2008年、平成20年6月議会の一般質問で取り上げ、1)現在の事業の進捗状況と供給開始年度の見通し、2)長崎市が企業団へ支出した出資金、負担金の累計金額、3)事業費の総額と長崎市が負担すべき金額、4)将来の人口予測について質し、計画の見直しを迫りました。これに対し、当時の理事者からはそれぞれについて数値が示されるとともに、計画については引き続き進めるとの見解が示されました。  しかし、今日、状況は大きく変わってきています。最も大きいのは、政権交代によって成立した鳩山政権が「コンクリートから人へ」を掲げ、大型公共事業、とりわけダム事業に対し大なたを振るっていることです。建設途中にある群馬県の八ッ場ダムが中止されたことを考えると、環境アセスも完了していない本明川ダムについては、実現の可能性は限りなくゼロに近いのではないかと考えられます。加えて、整備計画案では、長崎市の平成27年度の人口予測を43万2,900人とし、水不足量を1日7,500トンとしていますが、民間シンクタンクの人口予測はこれを大きく下回る数字が出ており、この数字を見る限り、将来の水不足は想定しなくてもいいのではないかと思われます。  こうしたことから、長崎県南部広域水道整備事業については、直ちに中止の決断をすべきではないかと考えますが、市長の見解を伺います。  以上で本壇からの質問とさせていただき、回答いただいた上で自席から再質問をさせていただきます。=(降壇)=
    55 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 56 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、田中洋一議員の質問にお答えします。  まず、1点目の環境対策についての(1)CO2削減の取り組みについてお答えします。  ご承知のとおり、長崎市では市全体の温室効果ガス排出削減のため、長崎市地球温暖化対策実行計画を策定し、現在、この計画の具現化に向けて、環境活動を広げるネットワークの構築、あるいは地球環境を守る市民運動の展開、さらには環境教育、学習の推進など、9項目の重点アクションプログラムの選定を行っております。  そのような中、今後の具体的な取り組みとしましては、とりわけ市民一人ひとりが地球市民としての意識を持ち、身近なところから行動をしていただくことが重要であるという観点から、ことし10月に1週間のエコライフウイークを設け、10万人規模の市民の参加協力のもと、だれでもいつでも簡単にできる身近な環境行動の呼びかけや、これまでにない大規模な啓発イベントの実施等を予定しております。  また、市民の環境行動の輪を広げていくため、市民グループや市民団体によるネットワークを構築し、情報の共有など団体間の連携を深めるための支援策にも力を入れていきたいと考えております。  さらに、環境についてみずから考え行動する人を育てるため、子どものエコリーダーの育成や大学、企業、NPOとの連携、協働による環境セミナーの開催など、環境教育や学習の充実を図っていくことにしております。  そのほか、中・長期的な視点からの温暖化対策を進める上から、温室効果ガス削減の中・長期目標を定め、あわせて具体的な方策などの削減戦略についても、国の動向などを勘案しながら策定することにしております。  いずれにしましても、低炭素社会を目指してCO2の大幅な削減を進めていくには、生活様式の見直しや新エネルギーの導入、産業界における技術革新などが不可欠でありますので、長崎市でも国、県、関係機関との連携を図りながら、市民、事業者、行政が一体となって地球温暖化対策を積極的に進めていきたいと考えております。  ご質問の2点目の国道202号の整備促進についてお答えします。  一般国道202号の福田地区につきましては通学路となっておりますが、十分な歩道環境が整っているとは言えず、交通安全上の対策を講ずる必要性がある区間であります。  また、平成22年度末には主要地方道長崎南環状線が完成し、早坂町の九州横断自動車道長崎インターチェンジまでが直接つながることとなっていますので、福田地区を通過する自動車交通量は現在よりも増加するものと予測をしております。  このような中、長崎県におきましては、現道の安全対策として、これまでにバスベイの設置や走行危険箇所の部分拡幅、歩道の整備などを行っており、現在も関係者等のご理解とご協力をいただきながら、小浦町の中浦バス停付近の歩道拡幅、交差点改良に向けた整備のほか、そのほかの危険箇所についても、地権者との交渉など改善に向けた取り組みが鋭意進められております。  このように、長崎県としても一定の対応が行われておりますが、長崎市といたしましては、国道202号の交通環境の改善を図るためには、現道の歩道拡幅などの安全対策を急ぐとともに、増加する自動車交通を円滑に処理する上でのバイパス整備が必要であると考えております。そのため、(仮称)福田バイパスの整備につきましては、これまでも県に対する要望書の提出を初め、地元選出の県議会議員の皆様との市政問題協議会などの場を通じて働きかけを行ってきており、昨年は本県選出の国会議員の皆様へも実情をお伝えし、ご支援をお願いしております。しかしながら、長崎県によりますと、福田バイパスは今後の課題として認識しているものの、現段階で新規に整備していくことは財源面などからも難しいという見解も示されております。  長崎市としましては、福田バイパスを重要な路線の一つとしてとらえており、現在明確な位置づけがなされていない福田バイパスが、まずは目に見える計画として示されることが必要であると考えております。  そのようなことから、今後も福田バイパス建設促進期成会などの地域の皆様方のお力添えをいただきながら、福田バイパスの実現に向けて、まずは具体的な調査の実施などについて、県やそのほかの関係先に対し働きかけを行っていきたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 57 ◯環境部長(樫山敏徳君) 次に、1.環境対策についての(2)BDF燃料の活用についてお答えをさせていただきます。  廃食用油等を原料としたバイオディーゼル燃料の利用につきましては、持続可能な循環型社会の構築、地球温暖化の防止、燃料の地産地消の推進などの観点から、全国各地でさまざまな取り組みがなされているところでございます。  そのような中、ご承知のとおり、長崎市では平成19年度及び平成20年度にごみ収集車1台に再生燃料100%のバイオディーゼル燃料を使用して運行実験を実施したところでございます。  この実験で使用した再生燃料100%のバイオディーゼル燃料は、環境面での効果が高いというメリットがありますが、一方で対応できる車両が古い形式のものに限られることや、燃料の品質に保証がなく、長期間使用時には車両の燃料系統にトラブルを起こすリスクが高くなることなどが一般的には指摘されております。  実験の結果、車両に顕著な不具合は認められませんでしたが、対応可能な古い形式の車両が少ない上に老朽化が著しいこと、また、燃料の保管について、現在の車両倉庫では危険物として保管できる量が限られていることなどの問題が浮き彫りになりました。  これら取り組み等の経過を踏まえ、平成21年度には全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会に入会し、現在、バイオディーゼル燃料に関する情報の収集に努めているところでございます。  そのような中、揮発油等の品質の確保等に関する法律が一部改正され、平成21年2月からは再生燃料を軽油と混合する場合の混合率は、原則として5%までとされています。この燃料はすべてのディーゼル車に使用でき、燃料の品質も確保されていることから、長崎市のごみ収集車での使用は可能ですが、再生燃料の割合が低いため、環境対策としての効果は限られるものと考えております。  また、長崎市がこの燃料でごみ収集車の継続運行に取り組むには、少なくとも各環境センターに精製もしくは給油の設備を設置するか、市内の複数箇所のガソリンスタンド等でこの燃料の取り扱いがなされるなど、本格的な給油体制の整備が必要となります。  このようにバイオディーゼル燃料の活用に当たっては、それぞれの燃料の特性やCO2の削減効果、また、給油施設を初めとした環境整備にかかる費用、さらには市内には再生燃料100%の製造研究を行っている事業者もいますので、その動向を見きわめることなど、さまざまな視点で精査する必要があると考えております。  いずれにいたしましても、ごみ収集車にも従来のディーゼルエンジン車に加え、ハイブリッド車が開発されるなど、環境対応の面においても選択肢は広がってきておりますので、ご指摘の件につきましては、今後CO2削減に向け、費用対効果を十分検証した上で検討してまいりたいと考えているところでございます。  次に、(3)エマルジョン燃料の活用についてお答えをさせていただきます。  ご指摘のとおり、エマルジョン燃料は重油に水と同化剤を混合させることで、CO2削減だけではなく、窒素酸化物や粒子状物質などの大気汚染物質の排出削減を図るものであり、新たな技術として大学や自動車メーカー、造船所などで研究開発が進められてきているところでございます。  ちなみに現在、長崎市役所におきましては、平成20年度に年間約139万リットルの重油を使用しており、これをエマルジョン燃料にすべて切りかえた場合には、重油の使用量を大きく削減することができることとなります。その結果、CO2の排出削減につながることとなり、地球温暖化対策においても有効な手段の一つであると考えているところでございます。  そのような中、ご指摘のとおり、唐津市において産学官連携によるエマルジョン燃料の実証実験が実施され、一定の成果が上げられているところでございますけれども、実施の期間が短期間であったことから、長期間使用によるボイラー等への影響や燃焼の安定性、効率性、また、製造装置の導入に伴うコストや管理体制など、今後整理すべき課題もまだ残されているところでございます。  いずれにいたしましても、地球温暖化対策を進めていくためには、化石燃料由来のエネルギーの使用抑制を図ることが重要であり、先ほどのバイオディーゼル燃料も含め化石燃料にかわる新しい燃料につきましては、現在、さまざな手法が開発されてきているところでございます。  そこで、ご提案の件につきましては、今後、他都市や民間企業の導入事例、また、大学等研究機関による長期にわたる実証実験の結果等について、さらに調査研究を進める中で検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 58 ◯上下水道局長(白石裕一君) 3、長崎県南部広域水道事業についてお答えいたします。  長崎県南部広域水道企業団は、長崎市、諫早市、長与町及び時津町の2市2町が構成団体となって設立した一部事務組合でございまして、2市2町が将来不足すると見込まれる水道用水の供給に向けて、平成14年4月1日に厚生労働省から水道用水供給事業の認可を取得し、平成14年度から2市2町を結ぶ送水施設等の創設事業に取り組んでおるところでございます。  また、企業団が水源として位置づけております本明川ダムにつきましては、国土交通省長崎河川国道事務所において、長崎県の環境影響評価条例に基づき、環境影響評価が実施されてきたところでございます。  このような中、平成21年10月9日に国土交通大臣のコメントの中で、「平成22年度における136の個別のダム事業の進め方に関する基本的な方針については、政府予算案の提出時までに明らかにすることとしている」と示されたことから、企業団並びに2市2町といたしましては、国の動向を注視してきたところでございます。その後、平成21年12月25日に政府予算案が提出され、国土交通大臣の会見で136の個別のダム事業のうち、事業の進捗状況、事業の性格等の観点から、1、既にダムに頼らない治水対策の検討が進んでいるもの、2、既存施設の機能増強を目的としたもの、3、平成21年11月までにダム本体工事の契約を行っているものの3項目のいずれかに該当する47のダム事業については、事業を継続して進めることとし、これらに該当しない本明川ダムを含む89のダム事業については検証の対象とすると発表されました。  今後は、平成21年12月3日に設置されました国土交通大臣の私的諮問機関である今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が本年夏ごろに新たな基準を示し、これに基づき、個別にダムの検証が行われる予定であり、本明川ダムの事業が継続するかどうかの結果が出るのは平成23年の夏以降になる見込みでございます。なお、検証の対象となったダム事業は、検証結果が出るまでは基本的に現段階を継続して、次の段階には入らないこととされております。  企業団におきましては、本明川ダムが検証の対象ダムとなったことから、2市2町と協議の上、平成22年度の企業団の送水管布設工事は一時休止することとし、事業を実施しないことによる事務量の減少にあわせて人員体制を縮小することを決定いたしました。それに伴う平成22年度の企業団予算につきましても、去る2月18日に開催されました長崎県南部広域水道企業団議会におきまして承認されたところでございます。  この際、南部広域水道事業については直ちに中止の決断をするべきではないかとのご質問でございますが、冒頭ご説明いたしましたとおり、長崎県南部広域水道企業団は水道用水供給事業を目的として2市2町で構成されている一部事務組合でございまして、長崎市独自の判断で決められるものではございませんので、ご理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。  いずれにいたしましても、本明川ダムが検証の対象ダムとなったことから、今後の対応につきましては国の動向を見きわめながら、企業団と2市2町、さらには長崎県とも連携をとり、適切に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  以上でございます。 59 ◯40番(田中洋一君) 一通り回答いただきました。ありがとうございました。再質問をさせていただきたいと思います。  順番が逆になりますけれども、まず3番目の県南部広域水道事業についてお伺いをいたします。  整備事業計画案から推計をしますと、長崎市の人口は34万人前後になると水不足という事態はなくなると私は考えております。人口だけが水不足の要因とは言えませんけれども、人口減少が今後も引き続き続いていくということを考えると、政府の方針にかかわりなく、本当にこのダムの計画が必要なのかなというふうに、これは前のときの質問でも申し上げましたけれども、まだそういうふうな疑問を持っております。  そうした意味では、完成がいつになるかわからんこの事業については、厳しい財政状況の中にある長崎市としては、もう直ちに中止すべきだと、そのように考えているわけです。  本年2月18日に企業団議会定例会が開催をされておりまして、その中で送水管布設工事については休止をするということが新聞で報道されておりました。先ほどの答弁にもありますように、長崎市だけで決められる話じゃない、2市2町による企業団ですから、長崎市だけが一定の方向を大きく打ち出すというのはなかなか難しい部分もありますけれども、しかし、こうした事態になった以上、ここはこれ以上無駄な予算を投入しないということも含めて、これはもうトップのほうで大きな決断を振るうべきじゃないのかなというふうに私は思うわけです。  したがって、直ちにこの事業を中止するということは、これはもう市長でなからんと、それは水道局長にその決断を求めるというのは無理な話なので、市長がやっぱりその決断をして、そして直ちに中止に向けた整備を図る。そういうことが必要じゃないかと思っていますが、そういう意味では現時点における市長の考え方について、ぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。 60 ◯市長(田上富久君) 田中議員の再質問にお答えいたします。  国のダム事業の見直しの中で、本明川ダムが検証の対象ダムになったという状況を受けまして、去る2月3日に2市2町の首長が集まりまして、長崎県南部広域水道連絡協議会の委員会を開催いたしました。その中で、本明川ダムの検証結果が明らかになるまでは企業団の事業を一時休止するということとし、今後も情報交換を密にするということを確認いたしました。  今後の対応につきましては、先ほど上下水道局長が申し上げましたが、まだ国のほうの見直しについても、見直しの内容ですとか、あるいは基準ですとかも固まっていないという状況もありますので、国の動向を見きわめながら適切に対応していきたいというふうに考えております。  以上です。 61 ◯40番(田中洋一君) 市長から考え方についてお聞かせいただきましたけれども、今の時点では、市長の立場からすればそういうことだろうというふうに思います。2市2町が企業団をつくっているわけですから、企業団の中でそれぞれ話し合いをしながら動向を見守っていくということだというふうに思います。  それは現時点での回答としては了としますが、繰り返し私自身は申し上げていますように、水計画そのものが人口の動向からして、もう必要ないんだというふうに私は思います。そして、さらにダム事業が見直されていこうとしているということですから、早晩、国土交通省の方針は出てくるかと思うんですけれども、早目に中止の準備をしていくということも必要な時期になってきているかもしれません。そういうのも含めて、ぜひこれから国の動向を見守りながらも、その準備も含めてしていただきたいということだけ申し上げておきたいというふうに思います。  それから、次に国道202号の整備促進について再質問をしたいと思います。  福田地区における202号については50年近く前に、現在のフレスポ福田ウエスト店というのがあるんですけれども、ここがまだ海だったところを埋め立てて、そして、そこに久保工業が工場を立地した。そのときにあの道路が整備されたというか、少し拡幅されて、海側に新しい道路ができたという、そういう経過があるんですが、それからほとんど道路状況が変わらないまま、先ほど本壇で質問しましたように、特に地元からの強い要望もあって若干の改良工事は加えられていますけれども、基本的にあの狭い道路を大きく広げていくということはできておりません。  したがって、福田地区を走る生活道路である202号、現在では大型車両が本当に大量に流れ込んできております。大変危険な状況で、いつか事故が起きるのではないかとの住民の皆さんの不安も高まっています。そんなことになる前に、この問題の解決を講じてほしいというふうに思います。  実は、政権交代によって成立をした鳩山政権が、今、地域主権というものを打ち出しておりまして、特に国の地方への交付金のあり方が、従来のひもつきと言われる使い方が決められた交付金から一括交付金方式をとるというようなことが明らかになっております。まだ、制度設計が見えていませんけれども、方向としてはそういう方向が出ていると。そうなると、地方でその使い方を決められるようになるわけですから、そうなれば、県や市とも連携をとって、優先順位をどこからするかというのもありますけれども、ぜひ先ほどの本壇からの質問に対する市長の答弁、福田バイパスを重要なものとしてとらえているということからすれば、そういう一括交付金等を使って優先的にバイパスの整備を図っていくということを取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。  先ほど回答の中で、特に県の関係ですね。長崎県によりますと、福田バイパスは今後の課題として認識しているものの、現段階で新規に整備していくことは財源面などからも難しいというのが県の対応なんですね。これも、確かにひもつきできちんと決められた交付金であればあるほど、新たな財源をつくって福田バイパスを着工するというのは難しいと思うんですけれども、一括交付金方式という形になってくれば、その中のやりくりが県の中でもできるのではないかと。したがって、県、市が連携をとりながら、福田バイパスについて財政面も含めた検討が十分できるのではないかというふうに思いますけれども、そうした関係についてはいかがでしょうか。 62 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、国土交通省より示されております平成22年度の予算によりますと、社会資本整備などに係る自治体への補助金を原則廃止し、(仮称)社会資本整備総合交付金が創設されることになっております。この制度によりますと、自治体の裁量で一定の範囲内で交付金の配分をすることができるようになるなど、これまでの補助金制度と比べますと、自由度は高くなるものと思われます。  しかしながら、この交付金につきましては、既存の補助金、交付金制度の移行といったイメージはございますものの、まだ細かい制度概要が示されておらず、福田バイパスなど新規となる事業にどのように活用できるのか、明確になっていない状況にございます。  いずれにいたしましても、福田バイパスにつきましては、調査などを実施することによりまして、まずは県の道路事業として明確な位置づけをしていただくことが第一であるというふうに考えております。本日も傍聴席に期成会の皆さん、たくさんおいでいただいておりますが、今後とも地域の皆様方のお力添えをいただきながら、県に対して調査の実施につきまして働きかけを続けてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 63 ◯40番(田中洋一君) もうこの問題も、私が議会で取り上げるのは何度目になるかわからんぐらい何回も尋ねていまして、その回答も同じような状況が続いているんですが、ただ毎回取り組む、あるいは質問する中で、計画になるように、構想から計画に引き上げられるように取り組みたいという思いがだんだん伝わってはきているんですが、なかなか県のほうがその調査に取り組まないというか、財政の面で難しいということで今まで取り組んでいないと思うんですね。  先ほども再質問で申し上げましたように、一括交付金のことがどういう形になっていくかというのは非常に見えにくいんですけれども、ただ、やっぱりそういう意味で財源の問題に少し幅が出てきた段階で県と十分に連携をとって調査に入ると、このことは何とか約束できませんか。 64 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  先ほどご答弁いたしましたように、まず調査をして、きちっと道路の事業としてやるという位置づけをするのがまず第一だというふうに考えております。そういった意味では、調査等の実施を県に働きかけていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 65 ◯40番(田中洋一君) やっぱり計画に引き上げなければ次の段階に進まないということがありますから、この問題は引き上げるための調査がまず第一歩だと思うんですね。そういう意味で、県とも十分連携をとって、特に先ほどから言っています南環状線が開通してきますと、さらに交通安全対策が厳しくなると。もう事故が起こってからでは遅いんですよね。  例えば、今は構想ですから、計画に引き上げてそれが完成するまでにあと何年かかるかわからん。その間、危険な状況がずっと続くということを考えると、これはもうぞっとします。そうした意味では、とにもかくにもまず構想を計画に引き上げるということに全力を挙げて、そして、さらにそれを前に進ませるということを、これは都市計画部だけに任せるのではなくて、市長みずから先頭に立ってやっていくと。  これは期成会の皆さんとのやりとりの中でも市長の熱い思いは伝わってはおるんですけど、改めて市長の決意を聞かせていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。 66 ◯市長(田上富久君) 田中議員の再質問にお答えいたします。  道路の整備につきましては、ここ半年あたりでも、国に対しても何度もいろんなお話をさせていただいているんですけれども、その中で特に幹線の整備については、ぜひ今、この状況の中で国のほうで早急にやっていただきたいということと、もう一つは、途中まで道路が整備されて、その先がされていない。道路は実際つながっているので、整備されていないところの危険性が高いということで、毛細血管の部分については市町村なり、地方のほうで頑張ってやりますし、それから、コミュニティバスを初めとしたソフト面でもいろんな施策を打って頑張ってやっていくので、そういう幹線の部分ですとか、あるいは途中までやっている分については、ぜひしっかり国のほうでも支援をしてほしいということを申し上げてきています。  そういう意味で、この道路も途中までということになって、その先が危険性を増しているというパターンの道路だというふうに思いますので、今後とも県に対しましても、また国に対しましても、ぜひ進展させるように力を尽くしていきたいというふうに思っております。  以上です。 67 ◯40番(田中洋一君) 市長の決意も伝わってまいりましたので、いずれにしてもこの問題、これ以上話しても平行線で行くことは間違いないんですけれども、去年の9月議会、同僚議員の筒井議員からも、この問題で、小江原から油木西町線の問題も含めたつながるような形の道路構想というのを考えていいのではないかという質問もされていますので、そうしたいろんなところからの検討も含めて、長崎市の交通事情、とりわけ202号の拡幅の問題と安全対策、これはぜひ取り組みを強めていただきたいということを強く要望しておきたいというふうに思います。  次に、1番目の環境対策について伺います。  CO2削減の取り組みについて具体的に何か考えていることがあるのかどうかということでお尋ねをしましたけれども、いずれにしても協議会の中でこれから話をしていくということ。  それから、昨日の質疑のやりとりの中でエコライフウイークを設けるとか、そういった答弁があっていますが、そのほかは環境教育とか学習の充実を図るとか、子どものエコリーダーの育成とか、そういったところで、より具体的にCO2がどの程度それで削減されていくのかなというと、数値は見えてこないということになります。  したがって、このCO2削減に向けて具体的に2つ問題提起をさせていただいています。一つはBDF燃料の活用、もう一つはエマルジョン燃料の活用についてです。  まず、BDF燃料について再質問をしたいと思います。  このCO2削減には、BDF燃料というのは大変効果的な燃料でありますけれども、これが実は製造費用を考えると、このBDF燃料をつくり出す過程でガスとか電気とか水道、薬品等が必要になってきます。また、製造工程の中で出てくるグリセリンの処分など合わせると、1リットル当たり約80円ぐらいの単価がかかる。したがって、軽油と比べても決して安くはない。余り変わらんぐらいの燃料で、経費的にはそれほど、非常に経済効果が大きいということじゃないんですが、ただCO2削減については極めて高いBDF燃料になるわけです。  ところが、最近薬品を全く使わない新しい方式でBDF燃料を製造するプラントが開発をされたと。それによると、電気代が5円ぐらいと、それからプラント維持費が5円ぐらいで、廃食油をただだとすれば、製造費は10円で済むと。今の軽油が100円ぐらいでしょうか、もうちょっとですかね。だから、経済的にもかなりの効果があるものになっております。  実はこの燃料を使って、2007年の11月に国土交通省が羽田空港で実証実験を行って、空港内で発生した廃食油をリサイクルしてBDF燃料として使うという実証実験が行われているんですけれども、こういう廃食油を使ってBDF燃料をつくり出す。しかも、極めて安い単価でつくり出すことができるとなれば、まず廃食油の処分をすることができる。それから、CO2の排出がない。そして廃食油のリサイクル、それからディーゼル燃料もできると。まさに一石三鳥の効果を生むプラントなんですけれども、長崎市でこうしたプラントの導入を検討したらどうかとなと思っているんですが、環境部はどのようにお考えでしょうか。 68 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  ご提案の件につきましては、地球環境への負荷の軽減というのを考える上で大変有効な方策の一つであるというふうに考えておりますので、今後、地球温暖化対策に係る長崎市の中・長期目標を設定いたしまして、それに向けてのCO2削減戦略を策定する中で十分論議を行ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 69 ◯40番(田中洋一君) 実は昨年10月に人吉市に調査に行きまして、人吉市は子どもたち、学校の生徒が家庭用の廃食油を500ミリリットルのペットボトルに入れて学校に持ち寄ってきて、人吉市ではそれを業者が200リットル5,000円で買い取って、BDF燃料じゃなくて、肥料に再生させて販売するという方式でやっているんですね。人吉市のそれは環境教育というのが非常に大きくて、子どもたちには家庭用の廃食油を学校に持ってきてもらうという取り組みをやっているんですけれども、BDF燃料の製造で一番ネックになるのは、実はこの廃食油なんですね。羽田空港でやった実証実験でも、空港内にある飲食店から出てくる廃食油を再生させる、使うということが一つの目的だったので、それは廃食油の供給が十分だったんですけれども、長崎市でやるにしても廃食油の確保がどうなるかということも出てくるわけです。  したがって、私は人吉方式あたりで廃食油を一方では確保すると、そして、一方でそれを使って長崎市のパッカー車を動かしていく。こういう方策を考えたらどうかと思うんですけれども、学校で廃食油を集めるとなれば、環境教育も含めて教育委員会が大きな課題になってくると思うんですけれども、その辺のところはどうですか、教育長。 70 ◯教育長(馬場豊子君) 環境教育ということにつきましては、本当に学校で取り組むべき大きな課題だと思っておりますし、今も積極的に取り組みをさせていただいております。  今、議員ご提案の廃食用油を学校で集めてという部分につきましては、確かに子どもが実際リサイクル活動にかかわって行動するということにつきましては、環境教育に非常に寄与するものだと思っております。  ただ、やはり回収した廃食用油の保管ですとか、また回収に対します体制ですとか、今、人吉市の事例も提案いただきましたけれども、慎重にこれは取り組むべき課題だと思っておりますので、環境部のほうと連携をとりながら今後も研究を進めていきたいと思っております。  以上でございます。 71 ◯40番(田中洋一君) BDF燃料の再生というか、それを使っていくということが検討されていけば、その回収方法についてもぜひ環境部と教育委員会が連携をとって取り組んでいただきたいと思いますが、このBDF燃料、実は私はBDF100%で長崎市が実証実験をやったというのを先ほど回答の中でも聞いて、ただ、そのエンジンが今は古くなってもう使えないと。  実はこのBDF燃料には、B5基準というのがありまして、品質確保法、品確法と言われるところで、販売をする場合のBDF燃料というのは、軽油にBDFを5%しかまぜられない。これは国の基準でそうなっているんですね。したがって、市販のBDF燃料を使うとすれば5%しか入れられませんから、非常に価格的にもCO2の排出の部分でも余り効果がないということになるんですが、それにしても、実は長崎市の民間の委託業者も含めたパッカー車の軽油の使用量、環境部にお聞きしましたら、年間に55万2,953リットルということに上っているそうです。これの5%削減するにしても、私が試算したら、燃料代で約332万円、CO2については73トンの削減。余り効果はないんですけれども、15万トン削減という方向からすれば余り効果はないんですが、ただ5%増にしてでも効果は確実にあるということだけははっきりしているので、ぜひこれも検討していただければと思います。  もう一つは、B5基準というのは市販、要するに販売業者がその燃料を売る場合はBDFは5%までしかまぜられないけれども、自分のところでそういうBDF燃料をまぜてつくる場合は、3対7とか5対5でも可能なわけです。したがって、長崎市としてパッカー車に使う燃料を、みずからBDFをまぜた燃料をつくって、それで走ることができる。それは5対5、あるいは30%程度でもBDF燃料をまぜることができれば、それはそのまま30%のCO2の削減ということになりますから、みずから製造して使う分についてはその割合ができるということですから、これもぜひ研究をしていただきたい。  時間がありませんから、研究していただきたいということで、協議会の中でいろんな議題として具体的な取り組みの課題が出てくると思うので、その協議会の中の俎上に、ぜひそうした5%の部分とか、3対7の割合で使ったらどうかとか、あわせて言えば、パッカー車に廃食油で走っていますという文字をつけて走らせるというのも、環境の啓発という意味では一つの方法ですよ。車そのものが廃食油で走っているということをわかってもらう意味でも、そういうものも含めた5対5、3対7、5%の割合とかも含めたもので、ぜひ協議会の中で俎上に上げていただければというふうに思います。
     エマルジョン燃料についてお尋ねします。  これのほうが私は効果率が実は大きいと思います。エマルジョン燃料、まさに水増しなので、20%の水を入れて、普通の重油と変わらない効果が発揮できますから、明らかにCO2の削減が20%できるわけです。これも、長崎市の公共施設で使っているボイラーのA重油の使用量をお聞きしました。そうすると、年間138万9,927リットルというA重油は長崎市の公共施設だけで使われているんですね。ここをそのままCO2の排出量がそうなると3,752トンになりますから、その20%の750トン、CO2削減ができるわけです。20%のエマルジョン燃料を使うことができれば。経費的にも、これも700万円ぐらいですから、そんなに大きくないんですけれども、そういうふうに経費も削減することができる。  そういう意味では、市の公共物のボイラーにエマルジョン燃料を採用するということが考えられないのかどうか、この点についてお伺いします。 72 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  エマルジョン燃料は、ご承知のように法的にはまだまだこれからのところもございますけれども、代替エネルギーの中でも省資源化に大変効果がございますので、先ほども聞いていただきましたけれども、今後、本市のCO2削減戦略を策定する中で、その活用方法についても十分議論を行ってみたいと考えているところでございます。  以上でございます。 73 ◯40番(田中洋一君) BDFの話をしたときは、効果5%が一般的なものですから、それほどのCO2削減効果は出てこないかなというふうに思うんですが、このエマルジョン燃料というのは確実に20%のCO2の削減ができると。このエマルジョン燃料をつくっている企業にお話を聞いたところ、25対75でいけると。だから、そうであれば、25%の削減というのは可能だというふうに思います。  そうすると、先ほど申し上げましたように、長崎市の公共物で使っているボイラーがA重油約139万リットルです。これは長崎市の公共物だけですから、もっともっと長崎市が率先してエマルジョン燃料の活用というのを研究して、本当にできるんだということがわかれば、長崎市内のボイラーについてCO2を20%、あるいは25%削減できるという、そこに広がっていけばですね、そういうことにわけです。  平成24年ですか、15万トンのCO2削減が長崎市の目標であるとすれば、あと2年ですよね。期間もそんなに時間はない。そういう時間がない中で、具体的に効果があらわれるエマルジョン燃料、CO2削減の効果があるエマルジョン燃料については、ぜひとも活用する方向で本格的な検討に入ったほうがいいのではないかと、そのように思うんですけれども、せっかくこれだけの素材が、そして、長崎市が本当に実行計画の中で定めた目標を今からどういうふうにして実現するんですかという道筋が、具体策がまだ見えない。  そういう中で、確実にこれを使っていけば、ただ問題なのは、水の入ったエマルジョン燃料を長期間使ったときに、ボイラーにどういう影響が出るかということについては、私自身もまだその持ち合わせがないんですけれども、ただ、入っている部分が水ですからね。だから、水で燃焼させたら、そういうボイラーに対する影響はそんなにないと思うんです。そういうことの実証実験も含めて、何らかの方策が長崎市の環境部として考えられないのかどうか。その点についてもう一度お尋ねします。 74 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  エマルジョン燃料の実証実験につきましては、市民生活に影響を及ぼすことがないよう、危機管理の面で十分注意を払った上で対象となる施設がないかどうか、実際に今後当たってみたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 75 ◯40番(田中洋一君) これも協議会の場で少し議論を深めていただいて、すべての施設で一気に使うなんていうことは、これはもうあり得んわけですから。だけど、1つの施設で、例えば1年なら1年間、長期的に使って運用してみると。その結果を実証しながら、使えるかどうかも含めてきちんと、私はCO2削減に非常に効果があると思っているので、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思っているんですけれども、使えるかどうかも含めた検証をやっていただきたいというふうに思います。  平成24年は間近に迫っていますので、そんなにゆっくりとした歩みはできないと思います。取り組みを急がなければならないということも含めて、この点については強く申し上げておきたいというふうに思います。ぜひ、協議会の中の俎上に上げていただきますように、これはお願いしておきたいというふうに思います。  ちょっと時間は残りましたけれども、いずれにしても南部広域水道の問題や、あるいは国道202号の問題は本当に喫緊の問題だし、重要な課題だというふうに思っています。そうした意味では問題提起を十分受けとめていただいて、これからの長崎市の施策に反映をさせていただきたいということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。 76 ◯議長(吉原 孝君) これをもって市政一般質問を終了いたします。  次に、 日程2  第47号議案 長崎市国民健康保険税条例の一部  を改正する条例 から 日程4  第49号議案 平成21年度長崎市一般会計補正  予算(第10号) まで、以上3件を一括議題といたします。市長の説明を求めます。市長。       〔田上富久君登壇〕 77 ◯市長(田上富久君) ただいま上程されました議案3件につきまして、提案理由をご説明いたします。  第47号議案でございますが、長崎市国民健康保険税条例において、後期高齢者医療制度の創設に伴う被用者保険の被扶養者であった者に対する減免措置を講ずる期間を延長しようとするものでございます。  第48号議案「工事の請負契約の一部変更について」でございますが、市道油木町西町線道路改良工事2の請負について、岩盤線が推定より深かったため、補強土壁工の変更等を伴う必要が生じたことにより工事の設計を変更したことに伴い、契約金額を変更しようとするものでございます。  第49号議案「平成21年度長崎市一般会計補正予算(第10号)」でございますが、大井手川住宅市街地総合整備事業において用地取得及び借地権消滅補償に係る契約を締結いたしましたが、建物移転に日時を要し、事業が年度内に完了しないため、繰越明許費を追加しようとするものでございます。  以上で提案理由のご説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いいたします。=(降壇)= 78 ◯議長(吉原 孝君) これより質疑を行います。  質疑を終結いたします。  ただいま議題となっております3件につきましては、お手元に配付いたしております議案審査付託表に記載のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。  次に、 日程5  特別委員の補欠選任について を議題といたします。  議会基本条例検討特別委員でありました麻生 隆議員並びに福島満徳議員から3月4日付をもって同委員を辞任したい旨の申し出があり、長崎市議会委員会条例第12条の規定に基づき、議長において同日付でこれを許可したことに伴い、欠員を生じましたので、その補欠選任を行いたいと思います。  委員の補欠選任については、長崎市議会委員会条例第6条第1項の規定により、議長において指名いたします。  議会基本条例検討特別委員に村田生男議員並びに井原東洋一議員を指名いたします。これにご異議ありませんか。     〔「異議なし」と言う者あり〕 79 ◯議長(吉原 孝君) ご異議ないと認めます。  よって、ただいま指名いたしましたとおり、議会基本条例検討特別委員に村田生男議員並びに井原東洋一議員を補欠選任することに決定いたしました。  次に、 日程6  長崎市議会議員政治倫理条例の運用に基づく報  告について は、お手元に配付いたしております報告書のとおりであります。本件は同運用の規定により報告されたものでありますので、同報告書によってご了承をお願いいたします。  次に、 日程7  長崎市議決事件に該当しない契約についての報  告に関する条例に基づく報告について は、既に配付されております報告書のとおりであります。本件は同条例の規定により報告されたものでありますので、同報告書によってご了承をお願いいたします。  以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。  次回の本会議は、3月19日午前10時から開きます。  本日はこれをもって散会いたします。           =散会 午後2時3分= ──────────────────────────────────────────────   上記のとおり会議録を調整し署名する。   平成22年5月10日                               議  長 吉 原   孝                               署名議員 堤   勝 彦                               署名議員 小 宮 慶 一 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...