4 ◯市長(田上富久君)
自由民主党、
前田哲也議員の質問にお答えします。
まず1点目の
金子県政12年の評価と新県政にかける期待についてお答えします。
長崎県におきましては、この12年間に多くの政策、施策が推し進められ、その実績を残されてきました。その中でも特に税収が非常に厳しい中で、
行財政改革を進めるとともに、
公共事業費を縮減するなど、財政の健全化に努められた結果、健全な県政運営を維持されたことは、将来の県政や県民にとっての負担を軽減したと言えると思います。
このような中にあって、女神大橋やながさき出島道路など、長崎市の
まちづくりに必要不可欠な道路等の整備、あるいは県市共同で建設した
長崎歴史文化博物館、美術館、水辺の森公園の整備など、県民、市民に身近な
まちづくりを進められるとともに、新幹線などについて大きな道筋をつけられるなど、将来の長崎の
まちづくりにとって重要な足跡を残されたのではないかと思います。また、経済政策にも積極的に取り組まれ、特に企業誘致では、県市一体となってAIGを初めとした
都市型産業の誘致などにより、新たな雇用が創出されたことは大きな成果であったと思います。
次に、新県政にかける期待についてでありますが、県を初め、県都である長崎市を取り巻く環境は人口流出や雇用不安など、厳しい状況であることも事実であります。私は施政方針において、経済対策・雇用対策を喫緊の課題として対応すると申しましたが、新知事におきましても、経済、雇用を喫緊のテーマと掲げられており、共通の現状認識を有しているものと考えております。そのため、県と市が県民、市民のそれぞれの視点に立って、連携・補完しながら、互いの施策等を展開していくという関係をこれまで以上に築いていきたいと考えております。
地方分権が進んで、権限や財源が委譲されるにつれ、県と市の関係は非常に重要になるものと考えております。私も一昨日、直接お会いした際に、市、町がよくなることが、県全体がよくなることにつながるという観点から、市、町への力強いサポートをお願いいたしました。激しく変化する時代の中にあって、地方自治も変化を求められております。県、市がそれぞれの役割に応じて適切に対応しながら、地域の発展につなげていきたいと考えております。
次に、2点目の県との政策の共有と
連携強化による
まちづくりの推進についての(1)
協議機関の設置についてお答えします。
まず現況としては、長崎市の総合的な
まちづくりについて協議をする機関として、副知事、副市長、
関係部局長で構成される長崎県長崎市
都市づくり連絡会議というものがあります。これは平成11年5月に設置され、必要に応じて随時協議を行っております。その中のプロジェクト的なものとして、最近の事例で申し上げますと、
県庁舎跡地活用の問題や長崎市中央部・臨海地域の
都市再生についての協議を行っております。そのほかさまざまな案件について、県、市の
関係部局間で個別に協議を行う場があります。
新知事の就任に伴う新たな
協議機関をということですが、私も地域の課題に対して、県と市、町が共通認識を持ち、それぞれの役割に応じて政策を立案、執行していくことが今後さらに重要になっていくと考えておりますので、知事と市長、町長が対等な立場で定期的に協議する場を設置することについて、知事に要請をしたいと思っております。
議員ご指摘のとおり、県と市が一体となって
まちづくりを推進していくことは、非常に重要でもありますので、新たな協議の場の活用はもとより、既存の県との協議の場をさらに機能的なものにして、早急に協議が必要な案件等については、引き続き密接な連携を図り、迅速に取り組んでいきたいと考えております。
次に、2点目の(2)県との早急な協議・調整が必要な施策・事業の認識についてお答えします。
県と急いで協議すべき課題としては、新幹線の諫早─長崎間の早期実現に向けた
取り組み、
世界遺産登録に向けた
取り組み、長崎市中央部・臨海地域の
都市再生に向けた
取り組み、そのほか経済的な政策、
東アジア戦略、福祉
医療の現物給付、
被爆者援護、平和の問題など、さまざまあるものと認識をしております。
そのうち
九州新幹線西九州ルートの実現に向けての
取り組みについては、諫早─長崎間などの未着工区間について、新政権のもとでことしの夏ごろをめどに、全国の未着工区間のうち早期に着工すべき区間を決定するため、その優先順位や財源確保の方策などが検討されております。
西九州ルートの整備効果を最大限に生かすためには、この諫早─長崎間の早期整備は必要不可欠ですので、長崎県を初め関係団体と連携しながら、早期認可・着工の実現に向けてさらに力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
また、現在推進している「長崎の教会群と
キリスト教関連遺産」、「九州・山口の
近代化産業遺産群」の2つの
世界遺産登録への
取り組みについても、県などとの連携により急がなければならないと考えています。特に「長崎の教会群と
キリスト教関連遺産の構成資産」については、長崎県
世界遺産学術会議において検討されておりますが、まだ決定には至っていないという状況ですので、早期決定に向けて長崎県と協議をしながら、
関係自治体と一体となって取り組んでいきたいと考えています。あわせて今後の作業手順やスケジュールについても、早急な協議を行っていきたいと考えています。
さらに、長崎市中央部・臨海地域の
都市再生については、
新幹線整備を契機とした長崎駅周辺の再整備や
世界遺産登録への
取り組み、
まちなか再生のための各種施策などを
国際交流拠点都市・長崎の再生という地域の目指すべき方向性の中で体系づけるため、基本計画の策定を進めており、引き続き県と一体となって取り組んでいきます。
そのほか、冒頭でも申し上げましたように、福祉
医療の現物給付に係る課題の整理など、県と急いで協議すべき課題については、県、市の
関係部局間での緊密な協議、調整を行うとともに、場合によっては、知事との新たな協議の場において、直接お話をさせていただきたいと考えております。
次に、3点目の
次世代育成支援についてお答えします。
次世代育成支援行動計画は、平成15年7月に成立しました
次世代育成支援対策推進法に基づく法定計画であり、あすの社会を担う子どもや
子育て家庭に対する支援、子どもが健やかに生まれ、育つ環境の整備など、子育て、子育ちにかかわる施策を総合的、計画的に推進するため、平成17年度から21年度までの
前期計画を平成16年度に策定し、平成22年度から26年度までの5年間を計画期間とする後期計画を、現在策定しているところでございます。
前期計画として、子どもの育ち、
子育て家庭への支援、地域での支え合いをキーワードに3つの基本目標と、これらの目標に基づく施策及び事業を体系化して推進してまいりました。この5年間に120の事務事業を
前期計画に位置づけ、それぞれの事業ごとに
数値目標を掲げて取り組んでまいりましたが、全体平均で72.5%の達成率という結果になりました。また、市民を対象にした
アンケート調査の中の子育てしやすい環境の評価については、就学前の保護者からは一定の評価を得ているものの、小学生の保護者の評価は、5年前と比べて、やや下がっております。子育て中の保護者のご要望としては、主に
国政レベルの施策にかかわるものですが、
子育て家庭への手当の支給や
税制優遇措置、保育所、幼稚園の費用や教育費といった
経済的負担の軽減等といった項目が高い要望として示されています。一方、長崎市の子育てしやすい
まちづくりに向けての
取り組みは、この5年間で
乳幼児福祉医療の
現物給付導入や
子育て支援センター、保育所、
放課後児童クラブ、
乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは
赤ちゃん事業)といった環境整備を行い、一定進んでいると評価をしておりますが、さらなる施策の目標、目的達成に向けた
取り組みが必要であると考えています。
そこで、今回の
後期行動計画の策定に当たりましては、
子育て支援活動団体、
障害者団体、
ひとり親家庭の皆様とも意見交換を行いまして、また長崎市
社会福祉審議会に
事業主団体や
労働者団体等の関係者を臨時委員として加えました策定会議への諮問、さらに児童福祉、健康、教育分野を初めとした
関係部局による推進本部や
連絡会議を設置して、横断的な検討と総合調整を行いました。その結果、
前期計画から引き続き、子どもを生み、育てやすい
環境づくりに向けた事業の着実な実行と国の策定指針の見直しも考慮し、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの実現、食育の推進、
ひとり親家庭等の自立支援の推進等を新たに施策体系の中に取り込んで、新規事業や追加事業を加えた165の事務事業を盛り込む予定になっています。
平成22年度は新たな
次世代育成支援行動計画のスタートの年であり、5年後、10年後の長崎が未来を担う
子どもたちが健やかに育ち、子育ての喜びや楽しみを多くの市民の皆様に感じていただけるよう、さらに力を入れて取り組んでいきます。
次に、4点目の第四次
行政改革の自己評価と第五次
行政改革に向けた新たな視点についてお答えします。
現在、平成18年度から平成22年度までの5年間を期間として策定した第四次
行政改革大綱に基づいて
行政改革を推進することで、行政運営に係る経費を削減し、
市民サービスの向上に努めています。
第四次
行政改革の推進に当たりましては、市民との連携・協働による
まちづくりの推進、選択と集中による
行政サービスの重点化、簡素で効率的な行政体制の整備、健全な財政基盤の確立の4つの
基本的方向性に沿った94の
具体的施策について、
行政改革実施計画に基づいて計画的に進めております。
実施項目は、組織や人員体制の見直し、給与制度の適正化、業務の民間委託、施設の
民間委譲等であり、
数値目標を設定し、達成を目指して取り組んでおります。これまでに職員数の600人削減、普通会計の
人件費総額を30億円削減、累計で200億円以上の経済効果という厳しい目標設定に対し、職員数については、平成21年4月1日現在で430人削減し、進捗率が71.7%、普通会計の
人件費総額については、平成20年度決算で約48億円を削減し、進捗率が160.3%、
累積経済効果については、平成20年度決算では約96億円で、
年度目標値に対して102.1%の進捗率となっており、最終年度の平成22年度末には達成する見込みであります。
このように、目標達成という面では十分評価できるものと考えております。しかしながら、
数値目標とは別の観点から施策等を見た場合、市民との協働のさらなる推進、職員の年齢構成の是正など、今後も取り組むべき課題が残されていることも認識をしております。
次に、第五次
行政改革に向けた新たな視点についてお答えします。
今後も行政需要は多様化し、量的にも増加していくことが予想されますが、組織の拡大という選択肢が考えられない中、選択と集中の手法により、業務は優先度に応じて行うとともに、限られた人員、予算の中で、仕事の質を高めることが重要であります。
そこで、
行政サービスのあり方を明確にし、行政の
受け持ち分担を整理して、長崎市の3つの
基本的考え方の1つである、みんなでまちをつくるという方向性に沿って、新しい公共という考え方も踏まえながら、市民との協働と民間活力の活用を推進していく必要があるものと考えております。また、あわせてより効率的、効果的な行政運営を行うため、常に職員みずからが業務改善や改革を意識しながら成果を上げていく組織を構築していくことが重要であります。
次期行政改革大綱につきましては、これらの点を総合的に踏まえた上で、
行政改革審議会、議会にお諮りしながら、策定に向けて進めていきたいと考えております。=(降壇)=
5 ◯41番(
前田哲也君) 全般にわたり答弁をいただきまして、ありがとうございました。再質問をさせていただきたいと思います。しりすぼみにならないように、しっかりとした再質問をさせていただきたいと思っております。頑張ります。
金子県政12年の評価というところで、市長のほうから答弁いただきました。私
たち自民党の評価とほぼ同様な高い評価だったというふうな認識をいたしておりますが、もう少し私たちの中でも、社会の変化の中で、もしかすると、ややもすると、当時はそうだったけど、社会の変化、時代の変化の中で、そういうところはこれから見直しに入っていかなければいけないんじゃないかとか、そういう部分はあると思うんですよ。私たちもそれはあると思っております。そういうところのご指摘がなかったことについては、これからまた知事とともに鋭意取り組んでいただきたいと思っておりますが。
ある方が、こういうことを言われまして、私はなるほどな思ったんですけれども、
バンクーバーオリンピックが終わりました。国民の関心というのは、これが一段落すると、ワールドカップのサッカーに多分入っていくだろうと思うんですが、その方が言ったのは、県政というものをサッカーにたとえるならば、目指すゴールはだれが取り組んでも一緒の方向を目指すんだと。自分のほうにゴール、逆のほうに向かってゴールするということはあり得ないと。そういう意味でいけば継続性が問われると。そうした中で、
金子県政というものは、ややもすると、行動がすごくトップダウンで目立っておりましたけど、それはサッカーでいえば、
フォワードタイプでどんどんどんどん切り崩していくような得点の取り方を重ねてきたが、今度なられた知事に関して言えば、ミッドフィルダータイプで、パスを回しながらゴールをしていこうという姿勢じゃないかということを言われていて、確かにそうなんだなと思いました。きょう市長が言われたように、市、町がよくなることが県がよくなるという意味では、ゴールを重ねるのは、シュートするのは、県でも市でも民間でもだれでもいいんですよ。結果としてチームが勝つことを目標とするならば、私が申しましたように、これからもさらに県との連携の強化を深めていただきたいと思っております。
そうした中で、従来からも長崎県・長崎市
都市づくり連絡会議というものを設けて、連携はとっているよというようなご答弁でしたが、今回の質問にあわせて調べさせてもらいました。平成11年に
連絡会議を発足させて、これまでに7年間のうちで、合計9回開催されております。そして市長の任期になってからは、20年度の6月にやったこの1回しかないわけですよ。この会議すべてが
トップ同士の会議というか、県と市の全庁合わせた中での総合的な
協議機関と思っておりませんが、しかし、回数を見るだけでも非常に少ないなという気がしています。20年の1回の前は17年に1回、その前は15年に1回という実績ですので、そういう実績だけ見る中では、もう少し市長のほうにおいては、これから県政、市政においては、山積する課題がたくさんあると思います。そうした中で、こういう正式な会議があるとするならば、年に何回と月を決めてでも定期的にやっていただくことを要望をしたいと思っております。
あわせて市長のほうからは、これは伊藤前市長のときもそうでしたが、部においては、
随時関係部局間で協議を進めていますということで答弁があっておりました。実際そうだとは思うんですが、多分、市長を初め三役の方、そして私たちが議会を見たとき、県との連携がどうなっているんだというときに、部局間で協議はしていますと言いながらも、どういう協議をだれがどうやっているのか、その進捗はどうなのかというのは、全くもって庁内ではわからないような状況が今まで来ていたと思います。多分、副市長なんかも、市長にかわり事務を預かる中で、どうなっているんだと思ったときに、各部長に確認して、報告を受け、また検討するということがあっていたと思います。そういうことを考えたときに、今回、一つ質問したかったのは、そういう各部局間、各部同士の調整していること、そして打ち合わせしている内容を庁内できちんと共通認識を持つというような情報公開のあり方というんですか、共有するということがぜひ必要であって、これからは部と部をまたがるような課題もたくさんあると思うんですよ。そうした中では、私たちも含めて、どういう協議をしているのかという、常にリアルタイムでわかるようにしておかないと、なかなか機能的な
連携強化というのは図れないと思うので、そういうことをこれからどういうふうに考えようとしているのかについて、まずご答弁をいただきたいと思います。
6
◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。
県市協議等の大きな課題については、
都市経営執行会議等での情報の共有化に努めておりましたが、ご指摘のとおり、それでは十分じゃないという側面もあろうかと思います。これをシステム化するということも大事じゃないかというふうに考えておりますので、
企画財政部のほうで、一定定期的に重要なものについては、その情報の補足を行い、三役等への報告も含めて、情報の共有化に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
7 ◯41番(
前田哲也君) 答弁ありがとうございました。ただお願いは、重要なものと判断は
企画財政部がするわけではなくて、市長もですが、やはりほかの方から見ても、重要というのは、どの時点で、どれが重要かというのは、なかなか判断が分かれるところですので、重要なものを問わずして、情報が共有できるような体制をぜひとっていただきたいということを要望しておきます。
その中で、早急に協議が必要なものの認識はどうなんですかという話の中で、幾つか事業が上げられました。私も同様な認識を持っていますが、その中でも特に市長が冒頭に言われた
九州新幹線西九州ルートの認可着工に向けては、私から見たら、非常に危険なというか、危ない状況になってきたなということを認識しています。先般の新聞の中でも、
整備新幹線の
政府答弁書の中で、着工の是非も検討されるということもありました。そして、これはそう気にすることはないでしょうけど、一つの新聞の中では、国交省が
在来線特急を検討、
フリーゲージの断念を想定して
在来線特急を検討したという、私たちが
フリーゲージトレインを要望する以前の案が出てくるようなことまで、このごろ見られてくる中で、夏をめどに、その着工の順位づけ、認可の順位づけがされるということであるならば、市長が言われたように、県市一体となって努力するということは当然のことですが、私自身はやはりここ数カ月、市としても積極的に独自の
取り組みをすべきと思っております。
先般の県知事選挙のときの各マスコミのいろんな出口調査の中で、大きな事業の中に新幹線がありましたよね。その中でやはり特に世論を二分しているような状況の中で、まだまだ長崎市民にとって、もちろん県下全域をとった中で、長崎新幹線の必要性というものが十分に理解をされていない、もしくは求める行動が足らないという認識に立つならば、私はNPTの再検討会議等に行かれる時期も重なったこともあるんでしょうけど、このときにこそ、もっともっと長崎市として独自に理解を訴える行動というものをとるべきだと思いますが、そのあたりについて、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
8 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。
新幹線に関する広報活動についてのご指摘ということでございますが、県全体といたしましては、これまで長崎新幹線建設期成会を中心に、講演会、総決起集会の開催、パンフレットの配布、あるいは各種イベント時における模型やパネルの展示、こういったものを随時行ってきております。特に新幹線が通らない地域の方々のご理解がまだいただけていない状況であるというふうなことは十分認識をいたしております。
長崎県におきましても、このような状況が十分認識されておりますので、今後、県民全体の機運を高める、そういった
取り組みが強化されていくということになっております。
一方、長崎市といたしましても、出前講座等を中心に開催をいたしておりますが、市民の方と直接対話する中で、ご理解も随分深まってきているという手ごたえも感じておりますので、今後もその回数をふやすとともに、広報誌への掲載などの
取り組みもあわせて行ってまいりたいというふうに考えております。また、例年行っております
西九州ルートの沿線5市の市長による5市サミットやシンポジウムをことしは夏までに開催する方向で準備を進めているところでございます。いずれにいたしましても、国内外の人々と活発に交流することができ、世界に開かれた都市として長崎を活性化していくためには、新幹線は重要なツールでございます。そういったことで、1人でも多くの市民の皆様にご理解していただけるよう、今後もあらゆる機会をとらえまして、わかりやすく丁寧な広報に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
9 ◯41番(
前田哲也君) ご答弁ありがとうございました。従来からも十分な努力はしているとは私も思っておりますが、やはりそれでもなかなか理解を得られていないというところに立つならば、もう少し斬新なというか、方法を変えたご理解の仕方というか、求め方があるのじゃないのかなと思っております。
ただ、この際私からの一つの提案ですけれども、九州新幹線のときになると、やっぱり時間の短縮効果とか、そういう経済効果とかの訴え方もあります。そして長崎の駅前がどう変わるかということもあるとは思うんですが、さっき市長が答弁あったように、それとあわせて昨年から県との一体の中で、長崎市中央部・臨海地域の
都市再生ということで、
都市再生総合整備事業ということにかかわっていますよね。これ駅だけではなくて、中心市街地も含めて、茂里町あたりまで含めて非常に大きな範囲での県との連携した
まちづくりというのを、もうそろそろ基本計画がまとまると思うんですけれども、そのことが今取りまとめられようとしている。そして私も今回改めて勉強させてもらいましたけれども、この計画については、まだまだ市民の方に十分周知ができていないんですよね。もちろんこれは計画ができていなかったからそうなんでしょうけど、市長がよく言われる、新幹線が来ることが目的じゃないんだ。そこから先の
まちづくりだということを常々言われるのであれば、この計画こそもっと市民の方に大きく伝えて、ここから先にアジアに向かうんだということも含めて私はやっぱり訴えていくような、ただ単に、駅前の再整備とか、そこだけを語っていくと、なかなかこの今までの理解をまたさらに深めるということにはならないと思うので、ぜひこのことについては、
都市再生総合整備事業ですね、このことの周知というものも図っていただきたいと思っております。
そして、この計画についてですが、実を言いますと、これは政権が変わりまして、行政刷新会議の中の事業仕分けの対象になっておりました。結果としては、地域のことは地域でやっていくんだということで、この事業自身は生きていますが、補助事業じゃなくて、一括交付金の中で含まれるような形で、これから進められるようとしています。そうなってくると、これは財源を含めて非常に重要な問題ですし、新幹線の着工のおくれ、もしくは着工できないということになれば最悪ですけれども、そうなってくると、この計画自体も大幅に見直すということになりますので、この点については、やはり県と連携をとりながら、しっかりと取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
続きまして、市長のほうから教会群の世界遺産の登録に向けて早急に連携を深めたいというご答弁がありました。私も一昨年度、世界遺産特別委員会の委員長とならせていただいて、1年間、同僚議員とともにいろいろと提案させていただきましたが、やはり私が感じておるところは、2つの今世界遺産がありますよね、出島ができれば3つでしょうけど。どうも当初からの暫定リスト入りしてから、これまでの動きの中で、教会群の世界遺産の動きというものが市民の中で少しずつモチベーションが下がってきているなという気がしてならないんですよ。いろんなところに行っても話題に上がることが少なくなってきている。このこと自体一つとれば、非常に私は
取り組みのおくれというか、機運が盛り下がってきているのかなと、停滞していると言わざるを得ないと思っております。
そして、そこは何に問題があったという中で、まず1点には、やはり私たちは特別委員会の中でも、23年度の登録が果たしてできるんですかと。世界遺産の推進というものは、
世界遺産登録が最終目標ではなくて、
まちづくりが目標であるとするならば、23年度ではなくて、もっと後の年でもいいじゃないかと、きちんと進めようよということを特別委員会の中でも疑問も呈してきたわけで、その当時も県のほうに確認をしてもらいました。しかし、構成資産の確定のおくれもあってなのかどうかわかりませんが、今現在も23年度の登録というのは、正式には聞いていないですよね。しかし、文化庁のほうからは平泉と小笠原諸島を23年度に上げますということがもう出ています。そういう中で、県としては、ここはまだ正式に答弁しづらいところでしょうが、長崎市として一緒にやっていく中で、23年度登録は無理という認識にあるのかどうか、まずその1点をお尋ねしたいと思っております。
それと、これまでの
取り組み、私は少しおくれていると思っておりますが、行政として、これまでの世界遺産の登録の動きがおくれているという意識があるのかどうか。そしてこれからどう進めようとしているのか、その点について、改めて質問をさせていただきたいと思います。
10
◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。
世界遺産登録を取り巻く状況は、審査の厳格化等により大変厳しくなっておるというふうに認識をしております。このような中、平成22年1月、国において、平成23年度の世界遺産委員会での登録を目指し、文化遺産として平泉、自然遺産として小笠原諸島の推薦書がユネスコ世界遺産委員会に提出されましたので、「長崎の教会群と
キリスト教関連遺産」の平成23年度登録は、実質的に不可能ではないかというふうに思っております。今後の登録目標については、早急に引き続き県とも協議を続けてまいりたいというふうに考えております。
それから、世界遺産への
取り組みにつきましては、特に外海地区におきましては、世界遺産を契機とした、自分たちの住む地域は自分たちで守り育てるという考えのもとに、平成22年2月8日に外海地区
まちづくり協議会が設立されるなど、
まちづくりに向けた
取り組みは着実に進んでおりますので、引き続き
まちづくりという観点では、地区の皆様と一緒に
まちづくりに努力してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
11 ◯41番(
前田哲也君) はっきりと実質的に不可能という言葉は、私は了といたします。ただ、長崎市が多分県下の市長の連絡協議会の頭になっておられるんでしょうから、そのことも含めて、しっかり県のほうにその旨をお伝えというか、
まちづくりをする現場としては、やはりそういう認識でいるということを伝えてほしいと思いますし、そういう意味では、やはり構成資産を早く確定すると。後から追加することは可能なんですから、まず構成資産を年度内にでも早く確定していただいて、今回また世界遺産に絡んだ予算が多く随分と増額で組まれておりますので、そこをはっきりした上で進められることが私は施策の振興の中ではいいことだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
さきに述べた新幹線に絡んだ中心部の開発、それから世界遺産もそうですが、このことをもって駅周辺あたりが随分と変わるんではないかなと思っているとき、もう1つだけ要望しておきたいのは、長崎の駅前が随分これから変わってくるでしょう。その中で、市長は回遊性とか、そういう3つのテーマを持っていますけれども、その住民にとっては、駅前がどう変わるかという中では、住民にとってとても便利な場所になるんですよね、これから開発が進むと。ですから、住んでいる人にとって、長崎駅周辺中心部がすごく便利になるという意味においての視点における
まちづくりというんですか。例えば、今、市役所でやっている、県庁でやっているのは、サービス等を長崎の駅前でできないかとか、とにかく公共交通機関を使って長崎駅前に行けば、何でも用が済むんだよというような視点に立てば、今計画しておるようなことも含めてバリアフリーも進むでしょう。そういうことも含めて、長崎駅前というのがもっと輝きを増すと思いますので、生活に便利な拠点になるんだという切り口も含めて、これからの計画を検討していただきたいということを思っております。
それと、これは事前の担当部局とのヒアリングの中で、今まで言った世界遺産とか新幹線の認識のほかに、私としてはこういうことも早急に検討しなきゃいけないんじゃないですかということをやり取りしていたので、改めてお尋ねをさせていただきますが、私が昨年6月に質問した電車の北部延伸ですね。そのことについては、今回の総合計画の中までに反映されるということになりましたが、その後の検討状況も含めてお尋ねをしたいと思っております。私としては、延伸にこだわっているのは、先般申し上げましたように、長崎市だけであって、県も事業所もそのことは望んでいないと思っております。そして地域の住民の方から見たら、35年間に及ぶこの問題を随分と期待を持たせながら引っ張ってきたという表現は適切じゃないかもしれませんが、そのことにおいては、私は長崎市として大いに反省をしていただきたいということを思っておりますので、この際、お聞きしますが、総合計画策定ももうすぐに迫っております。協議もしたということも含めて、そしてなぜこの質問をするかというと、道の尾駅の整備事業が今回予算に上がっているんですよ。それは延伸にかわる施策ということで前回説明があっていますので、そういう意味においては、道の尾駅の再生にかかるのであるならば、この時点において、そのことを県と協議をきちんとして、私ははっきり示すべきだと思いますので、そのことについて答弁を求めたいと思います。
12 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。
路面電車の北部延伸でございますが、過去に事業者や地域の皆様からの要望などにもございまして、北部地区の公共交通の円滑化に向けた
取り組みとして検討に着手した経緯がございます。このことは、第三次総合計画や都市計画マスタープランにもその検討を行うことを位置づけるとともに、関係者による協議会の設置を行うなど、検討・調整を行ってまいりましたが、北部延伸を取り巻く環境は厳しく、その実現は非常に困難なものということで考えております。
このような中、今後の北部延伸の検討を継続していくか否かにつきましては、過去に関係者の皆様と協議を重ねた経緯もあり、また実現に向けた支援をお願いした方々もいらっしゃいますので、再度皆様方にご意見を伺い、整理を行う必要があるというふうに考えております。現在、次期総合計画の策定時期をめどに、一定の結論を得られるよう、関係者の皆様と協議を行っているところでございます。
また一方で、北部方面の公共交通の利便性の向上、円滑化に向けた
取り組みというのは、重要な課題というふうに認識しております。JRの道の尾駅や路面電車の赤迫電停において、JR、路面電車、バス、相互の乗りかえ利便性を高めることも公共交通環境を改善するという意味では、有効な施策でありますことから、これらの
取り組みも含めて、県や交通事業者と協議を行っている状況にございます。特にJR、道の尾駅につきましては、長崎市においても、平成22年度から都市計画道路、道の尾駅前線の整備に着手することといたしております。その整備とあわせまして、交通機関同士の乗り継ぎ機能の強化・充実を含めた具体的な検討を行うことといたしております。いずれにいたしましても、これらの
取り組みにつきましては、長崎市単独で実施できるものではございませんので、今後も関係者との協議を続け、具体的な
取り組み内容を整理してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
13 ◯41番(
前田哲也君) 昨年の質問の中では、まだ北部延伸についても、はっきりと不可能という言葉は出てこなかったので、そういう意味では、それからの協議の中で一定今、正式に不可能という言葉が出てきたことについては、私としては了としたいと思います。ただおっしゃるように、これまでもいろんな方と協議を進めてきた経過があることでしょうから、そこのことをきちんと手続を踏んで、総合計画の中にどういう位置づけをするかというのをはっきりしていただきたいということを要望しておきます。
それと、次に県との連携・協議ということで、どういう協議をしてきたんですかということで、私のほうから質問しておったんですけれども、そのことでちょっと答弁がなかったものですから、改めてお尋ねをしたいと思っておりますが、地域の
医療についてです。昨年、私の質問の中で、原爆病院との統合がなかなかうまくいかなかった中で、市長のほうから、これから一番重要なことは長崎市民、長崎市全体の
医療体制の総和を一番大きくする形にするには、どうしたらいいのかということをこれから連携、役割分担含めて考えていきたい。そのことが一番大事なんだということをおっしゃいました。しかし、先般の代表質問でも質問があっていますように、今回の野母崎病院の件含めたときに、総和をどうしたら維持できるか、大きくできるかという意味では、やはり私は地域
医療検討会の
取り組みのおくれが先般の野母崎病院のような結果を招いたんではないかということも感じております。
そうした中で、ひとつ解せないというか、非常に不満に思っていることを質問させていただきますが、地域
医療再生計画というのがありますね。これもまた自民党時代から組まれてきたものが政権が変わって、規模が縮小されまして、20億円掛ける2つ、2パックということで申請がなされ、そして先般の新聞の中では、県北地域と離島地域にこの事業が当てはまるということで報道があっておりました。私は当初、このことについては、事業規模、そのトータルとしては、自民党当時は125億円あったのが、50億円になったわけですから、あっ、その過程の中で長崎市の分が落ちてしまったというか、長崎市の分よりも県北の分、離島
医療のほうが、今深刻なんだよということで、そちらが優先されていたのかなという思いで納得はしていたんですが、今回質問するに当たり、調べた中では、そもそもその手前の昨年6月29日の時点で、県のほうから各地域から出してくださいというときに、長崎市も額は申し上げられませんが、何十億円という計画を出しているんですよね、県に対して。しかし、そもそもその時点、125億円の時点で長崎市の計画というのは1個も入っていないんですよ。だから、その政権が変わって50億円に絞られて、長崎市の分もこの数十億円という
医療計画が落ちたんではなくて、その手前の段階の県の時点で長崎市の計画がすべて落ちている。これはやはり県と
医療計画をこれからしっかりやりましょうと、統合はああいう形になったけれども、これからやりましょうという話の中で、どうしてこういうふうになったのかなというものが1点。
それと、もう1つは、落ちたことは仕方がない。しかし、その中で当初の計画の中には、これはぜひ長崎市としては取り組んでいかなきゃいけないということ。それは市長が言われる総和をもっともっときちんと保つんだという中では、やらなければいけない事業がこの中に入っているんですよ。それについて、これから長崎市としてどう取り組もうとしているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
14 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 再質問にお答えをいたします。
地域
医療再生計画は、国から交付されます地域
医療再生臨時特例交付金を原資といたしまして、各都道府県に基金を設置いたしまして、平成25年度までに各都道府県におきます地域
医療の事業を実施しようとするものでございます。議員ご指摘のとおり、長崎市におきましても、事業の実施に当たりましては、
医療機関を中心に事業計画等をお尋ねいたしまして、計画を提出していただき、地域
医療支援病院機能の強化のための新市立病院整備事業、あるいは
医療情報共有化のためのシステムを構築するあじさいネットワーク構築事業など、9つの事業を集約して、県に提出をいたしております。しかしながら、国におきましては、各都道府県では、2つの圏域の計画を採択することという方針のもと、長崎県におきましては、県の保健
医療対策協議会におきまして、より緊急性の高い離島地域の病院再編関係の事業を主体とします事業と、
取り組みがおくれております佐世保県北地区の救急
医療体制のための事業を主体とする事業の2つが県の計画として採択をされたものでございます。
2点目のご質問の中で、地域
医療検討会でございますが、ご承知のとおり、
医療連携専門部会、それから
医療従事者の確保のための専門分科会という2つの分科会を設置いたしておりますが、この部会の中で、一定の方向性を示していただき、長崎市の事業といたしまして展開をしていこうということでございます。議員ご指摘のとおり、地域
医療再生計画に私どもが提出をさせていただきました事業というのも、当然として今後この地域
医療検討会の中で、課題として既に上げられているものもございます。私どもといたしましては、この地域
医療検討会の専門部会の中で、そういった課題につきましても、協議を行い、必要な財政措置を含めまして検討をしまして、長崎市としての地域
医療の事業を展開していきたいと考えております。
以上でございます。
15 ◯41番(
前田哲也君) 市長にご認識いただいたのは、今のような話も含めて非常に長崎地域の
医療というのが、私は危うい状況になってきていると思います。そういう中で、大学と病院との機能と役割を分担をするといった地域
医療検討会だったと思うんですが、どうも今の流れを見ると、非常に悠長な感じがするというか、もともとはすみ分けをきちんとして、そしてあるべき市民病院はどういうものをつくろうかというのが、私はそこの答えだったと思うんですが、何かその
医療全般どうしようかという話になってきて、それは本来、長崎地域保健
医療対策協議会というのがあって、そこでやるようなことであって、市長が諮問したような長崎市地域
医療検討会でやることじゃ私はないと思っておるんですよ。いろんな報告を見る中で、救命救急の問題、そして周産期の問題、随分大学側の動きの中で変更が出てきていますが、もともと長崎市新市立病院のコンセプトというのは、救命救急と周産期を頑張るんだということの決意だったと思うんですが、そこがこういう病院とかの動きの流れの中で変わってきているのはやむを得ないとしても、そこに合わせていくというやり方ではなくて、長崎市新市立病院が何を目指すのかという、やはり哲学をつくっていく作業が本当はこの地域
医療検討会の中の大きな課題じゃないかと。ですから私は昨年の夏も時間がないけれども、頑張ってくださいねという意味で、ある意味エールを送ったんですけれども、そもそも地域
医療検討会自身の中身について、少しぶれてきているんじゃないのかなという気がしておりますし、そのことは参加されている委員の方もおっしゃっています。少しそういう意味では、仕切り直しをして臨んでいただきたいと思いますし、やはり私は今、PFIのもとに箱物の建設というのは進んでいますが、病院というものは、箱ではなくて中身だというところに立ったときには、やはりその箱に魂を入れる作業というのが必要であって、その作業がなかなか見えてこないし、おくれている。楠本病院局長、一生懸命頑張っておるんでしょうが、実を言うと、先々だれが運営するかということも含めて、やはりそういう方たちと一体となってやっていかないと、市民病院は何を得意分野にして頑張るんですかということが今求められているのであって、医師の確保はその得意分野に合わせて、どういう人を集めたいかというのが次に出てこないと、もう順番があべこべになっちゃっているんですよね。例えば、こういう話があります。熊本の赤十字病院の名誉医院長さんが病院をつくりかえる際に、自分のところは救急と災害対応をしっかりやるんだということで、ロビーには災害時の対応に備えて、いざというときベッドになるソファーを買っていると。酸素とかが使えるような、要は緊急時にロビー丸ごとERになるようなつくりをしていると。要はそういうことだと思うんですよ。何か今の現象すべてをすべてカバーしようという中で、そうじゃなくて、本来、市民病院、どういうものをつくるんだ、市のニーズがどこなんだという部分を改めて整理をしていただきたいと思いますし、楠本局長、本当にいろんな意味で大変だと思いますが、そういう外部の方のお知恵もかりながら、しっかり頑張ってほしいし、そういう意味では、この再生の事業も随分と落ちてしまいましたけど、県とも改めて協議をして取り組んでいただきたいということを、この件に関しては要望しておきたいと思います。
次世代育成について入ります。個々には尋ねたいことは幾つもありますが、まずもって、このような最終の案、これは昨年の11月議会の厚生委員会の資料で、所管事項の中で説明をされていますが、しっかりしたものをつくっていただいているということに対しては評価をいたしますが、パブリック・コメントの件数が1件しかなかったというのは非常に残念です。特に現場の方がこのことを見てなかった、知らなかったという声を聞く中で、やはりサービスの提供者たる保育園とか幼稚園協会、学童の方々、いろんな方々が本来だったら、これができ上がる前にパブリック・コメントという手法じゃなくてもいいから、きちんと目を通していろんな知恵をかりて最終的なものをつくり上げるという工夫が必要じゃなかったのかなということを思っておりますので、今からでも遅くないと思いますので、そういうことについても、担当部もまた取り組んでいただきたいと思っております。
私が見させてもらう中で、一定進めるという評価がありましたけれども、その中で今度の後期基本計画をつくるに当たって、私はその企業の責任の位置づけが非常に弱いということを思っております。そうした中で、常用雇用301人以上の企業は事業主行動計画の策定の義務があるとなっていますが、その実績について、どうなっているのか。そしてこの行動計画は、来年度からは101人以上も義務化されるとなっていますが、今現在何%なのかについて、再質問をさせていただきます。
16 ◯商工部長(川口晴寛君) 前田議員の再質問にお答えいたします。
まず、長崎労働局、平成21年11月現在で取りまとめた計画の策定状況でございます。義務化されている301人以上の状態は、すべてが47社策定済みでございます。ただ、今後、義務化されます101人以上の企業については、現在のところ、13.7%が策定済みだというふうに伺っております。これは今まで101人以上は努力義務ということでございました。また、もう1つは一昨年以来の厳しい経済環境の中で、多くの企業の皆様方にとって当面の雇用維持というのが最優先の課題になったということも影響しているというふうに考えているところでございます。ただ、この行動計画の策定、中期・長期的に見た場合、企業の成長にとって有効に働く面が大きいところでございますので、私らといたしましては、国の組織でございますが、21世紀職業財団、県、一緒になりまして、助成のメニュー等を用意しておりまして、さまざまなインセンティブ、優先といいますか、そういうのを設けまして活用を促していきたいと思っております。
以上でございます。
17 ◯41番(
前田哲也君) 301人以上が98%ということで、101人以上のところは13.7%が義務化されるわけですから、それを100に近づける。また101人以下のところもこれから事業主行動計画を策定していただくという中では、今、部長がおっしゃったようなインセンティブな制度をしっかり制度として設けながら、策定の促進に向けて頑張ってほしいと思いますし、この後期基本計画は、5カ年になっていますが、前倒しできる分はぜひ前倒ししてほしいと思っておりますので、そういう意味では財源の確保をどうするかということと、マンパワーをどうやって確保するかということについては、鋭意知恵を出していただきたいなと思っております。
それと、前期基本計画について、一定進んでいるという評価がありましたけれども、私は保育会や幼稚園協会、学童連絡協議会との勉強、政策要望等に立ち会う中で、前期が5カ年だった中で、この5カ年、それぞれ団体も政策要望しているんですよ。しかし、学童の部分は別としても、幼稚園協会と保育会の要望については、ほぼゼロ回答のような状況がずっと続いてきている。そしてそのことに対しては、非常に現場のほうも戸惑っているというか、何とかしてほしいという切実な思いがある。片や評価されると言いながら、サービスの事業者の提供者であるところに対しては、そういう不満があるというのは、これはどう理解したらいいんですかね。提供者たる現場がやっぱり満足できない環境にある中で、どうして一方において一定進んでいるというふうになるのかということについては、ここに課題があるのかどうかも含めて、どうしてこういうふうな事態になっているのかをご答弁いただきたいと思っております。
18 ◯こども部長(松下貞行君) 再質問にお答えいたします。
保育会、幼稚園協会、それぞれあるわけですけれども、要望事項の中に保育関係につきましては、保健衛生費補助の額の要望もありますように、現行制度に一部でありますが、包含されているものや、幼稚園関係においては、就園奨励費の拡充にありますように、国の制度に即して増額等の連動した対応を行っているものなど、既に地方自治体の負担分を含んだ上で、さらに長崎市の単独分を加えながら実施しているところでございます。したがいまして、長崎市の財政状況を勘案しながらも、保育所における一時保育促進事業への助成の事業の継続、それから幼稚園における預かり保育にかかる保護者への財政助成制度の創設などのように、長崎市の子どもに対する施策の方向性も考慮しながら、現在進めていっている状況でございます。
以上でございます。
19 ◯市長(田上富久君) 前田議員の再質問にお答えして、若干補足をさせていただきたいと思いますが、陳情の折に、今、検討中ですというふうな答え方をしたものについて、それがゼロ回答であったというとらえ方をされた面があるかと思いますけれども、その後、今、こども部長のほうから報告しましたように、例えば、一時保育については、市のこれまでの制度をことしも延長するですとか、あるいは幼稚園に対する延長保育への補助ですとか、実際に実績としては行ってきている面がありますので、そこの辺のとらえ方の差もあるというふうに考えております。
ただ、現場の皆さんがどういうふうに感じるのか、あるいは現場でどういう困り事があって、それをどういうふうに解決するかという点については、おっしゃるように、そこから発想するということが非常に重要ですので、その点については、これからもいろんなお話をさせていただきながら、一緒にどこまでどういうことができるのかということを考えながら進めていきたいというふうに思っております。
以上です。
20 ◯41番(
前田哲也君) 市長から答弁いただきましたように、ぜひやはりお互い車の両輪だと思うんですよね。特に保育なんか、法的にも実際の委託業務ですからね、そういう意味では、別に相反する立場じゃないんですから、今までの中で、やはり事前に相談がなかったとか、少し前に言ったことと今度言ったこととは違うというふうなことも含めて、いろんな意味でコミュニケーション不足だと思っておりますので、これは随時部のほうとしてはやっているという認識でしょうが、そういう団体につきましては、定期的にいろんな情報交換、すべてがお願い事ばかりじゃないですから、情報交換を含める中で、よりよいものを築いていくように努力をしていただきたいと思っております。
行政改革につきましては、鋭意努力しているでしょう。これからも頑張ってほしいと思いますし、新たな視点についても、第四次の反省に立って、また頑張っていただきたいと思います。総務部長というか、担当する部署は、ほかの部からしたら、非常にけむたい存在でしょうが、しっかりと頑張っていただきたいということを要望と期待とさせていただきます。ありがとうございました。
21 ◯議長(吉原 孝君) 次は、24番中村すみ代議員。
〔中村すみ代君登壇〕
22 ◯24番(中村すみ代君) 草の根クラブの中村すみ代でございます。質問通告は2項目出しておりますが、1の最終年度に当たっての地産地消推進計画についての(1)は、時間がございましたら自席から質問いたします。
それでは、質問に入ります。
1.最終年度に当たっての地産地消推進計画について。
長崎市は平成18年度、2006年度に長崎市第三次総合計画の目標年度に合わせ、平成22年度、2010年度までを期間とするながさき夢いっぱい地産地消推進計画(以下推進計画とする)を策定しました。この計画は、平成17年、2005年3月、国が策定した食料・農業・農村基本計画の趣旨に基づいたもので、平成の大合併で旧7町が編入合併し、新市誕生したことを契機に、前市長において農業と関連産業の活性化・豊かな食生活の実現を本市の将来像とするために策定されたものでございます。
さて、本市農業の年間産出額は約80億円弱と、他産業と比較し、決して多くはございませんが、農業に携わる農業者の努力により、ビワを初めとする果樹や出島ばらいろのネーミングの肉用牛の生産など、推進計画では最終年度産出額約100億円を目指して特徴のある農業が展開されております。
私は、このような特徴をさらに生かしながら、自給率の向上、耕作放棄地解消、雇用拡大、所得の向上、後継者の育成と課題解決に向けて地道に取り組んでいくことで展望が見え、地域経済を農業振興で下支えすることができるのではないかと考えています。
そこで、平成22年度、今年度が最終年度になることから、以下質問いたします。
(2)ながさき型放牧の
取り組み状況。ここでは、肉用牛の肥育における放牧ではなく、繁殖における放牧の
取り組みについて質問いたします。
推進計画では、肉用牛の繁殖経営において、ながさき型放牧を拡大し、飼養管理面での省力化を推進し、飼養頭数の増加を図りますとしています。また、長崎市は耕作放棄地の拡大で野山が荒廃し、イノシシやシカなどの有害鳥獣による農業被害も深刻になっています。現在、外海地区では放牧組合を中心に繁殖牛の放牧が行われておりますが、耕作放棄地の解消や有害鳥獣対策にもつながるながさき型放牧の規模拡大などの
取り組み状況についてお尋ねいたします。
2.市立野母崎病院の直営による地域
医療の維持・継続について。
長崎市は平成21年、昨年の3月議会において、長崎市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例改正案を議会に上程、賛成多数で可決、平成21年度中の市立野母崎、琴海両病院の民間移譲が決定し、今日に至っています。
長崎市病院局は、民間移譲の理由を次のように説明しています。平成19年度、20年度の2カ年で両病院合わせて約4億円の現金不足が生じており、市民病院から企業借入金で賄っている。この状況が続くと両病院のみならず、市立病院全体の経営破綻を招くことになるとして、野母崎、琴海両病院を切り捨てることにしたのです。
背景には、国の
医療費抑制策や新研修医制度等、病院局を取り巻く厳しい環境があることは一定理解するとしても、公立病院改革ガイドラインの先取りで民間移譲を早々と決定したのです。その後の経過はご承知のとおりです。
琴海病院は、2度の公募で移譲先は決定したものの、先週の
自由民主党代表質問で、人工透析
医療は現在勤務している医師の努力で移譲後半年間は担保されたものの、それ以降の保障がないことが明らかになりました。野母崎病院は、長崎市と合併後、人工透析
医療の廃止など合併前の
医療水準は大幅に後退、地区住民の不安は増大するばかりでした。その上、昨年、移譲方針により移譲先が決まりましたが、病院局の努力不足によるとしか思えない移譲先予定の病院からの辞退を受け、一転4月から民間移譲方針は堅持したまま、直営での運営を決定しました。
ところが、先週の市民クラブの代表質問で、直営の内容は入院病床を休止し、外来診療だけという現在の
医療水準さえ維持できない実態が明らかになりました。医師2名の退職で当直体制が組めなくなることから、現在15名の方が入院されておられますが、現在入院されているベッドも含め、入院病床全面休止をするというのです。この事態に、野母崎地区住民が納得するわけはありません。
2月10日に連合自治会が、地域
医療の存続を求める陳情を市長に行いました。市長を初め、病院局は地域
医療を守るとこの間主張してきましたが、民間移譲ありきで進めてきた方針によって地域
医療の崩壊をもたらした責任は重大だと思います。
そこで質問です。1、4月以降の診療体制は現体制を継続すること、そのために病院局の人事により2名の医師を野母崎病院に常勤させること。2、民間移譲方針を撤回し、直営で合併前の
医療体制で運営すること。当然議会としての判断も求められることになるということは申すまでもありません。
以上、壇上からの質問を終わり、ご答弁によって自席から再質問いたします。=(降壇)=
23 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
24 ◯市長(田上富久君) 草の根クラブ、中村すみ代議員の質問にお答えします。
まず、1点目の最終年度に当たっての地産地消推進計画についての(2)ながさき型放牧の
取り組み状況についてお答えします。
ながさき型放牧とは、長崎県が推奨しているもので、耕作放棄地や原野などを活用して牛を飼育することにより、管理作業の省力化や飼料代の節減など生産コストの削減が図れることに加え、耕作放棄地の解消と有害鳥獣対策にも有効な手段とされています。
こういったメリットがある一方で、牛が牧場から逃げ出すなどの事故や、ふん尿による周辺環境への影響などの問題もあるため、周辺住民の理解が必要であり、放牧に適した土地の確保が課題となっています。
長崎市でのながさき型放牧の
取り組み状況ですが、平成14年度から外海地区において3戸の畜産農家が放牧組合を結成し、約4ヘクタールの土地を利用して繁殖牛約40頭を飼育し、肉用牛の子牛を生産しておられます。さらに、この放牧組合の中で後継者の就農に際して、今月新たに外海地区で約1ヘクタールの耕作放棄地を利用して放牧面積を拡大し、年内に飼育頭数を5頭ふやされると伺っております。
今後の長崎市における放牧の普及につきましては、地形的要因から遊牧地を1カ所で確保することが難しい状況でありますので、複数の耕作放棄地を利用した移動型放牧が有効であると考えています。
放牧の実施に当たっては、移動コストや周辺環境への影響もありますので、畜産農家や周辺住民と十分な協議を行うととも、農協及び農業委員会等の関係機関と連携して支援していきたいと考えております。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
25 ◯病院局長(楠本征夫君) ご質問の2点目、市立野母崎病院の直営による地域
医療の維持・継続についてお答えいたします。
野母崎病院につきましては、現時点での民間移譲が不可能となったことから、4月以降も引き続き病院局で運営することとしております。
提供する
医療の内容でございますが、常勤の医師1名と市民病院及び成人病センターの内科医師を中心とした応援体制により、外来診療、デイケア及び訪問看護を引き続き行うこととしております。しかし、この体制では医師の宿直体制を維持することが困難であることから、入院につきましては休床せざるを得ないと考えております。
一方、ことしの4月、6月から市民病院内科に3名の医師が大学から増員されることが決定しております。この3名を野母崎病院に充てて現体制を維持することはできないのかとのご質問でございますが、現在の医師供給体制は大変厳しい状況にあり、大学から医師を派遣しようとしても、希望する
医療施設でないと大学をやめてしまうということが少なからず起こっています。また、今回、内科医師3名が増員されるのは、新市立病院に向けての現在手薄な脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の体制づくりのために長崎大学に派遣をお願いしてきた経過があり、長崎大学と3人の医師も市民病院を限定しての派遣に応じていただいたものでございます。したがいまして、これらの医師を野母崎病院に異動させることは困難であると考えておりますし、ほぼ同様の理由により、現在市民病院に勤務している医師を野母崎病院に異動させることも大変困難であると考えております。
野母崎病院には、平成17年度までに5名の常勤医師が勤務しており、この体制で当直を実施しておりました。しかしながら、その後の医師の流出により、現在の3名体制で当直を行っておりますが、ぎりぎりの状況で、何とか当直を継続している状況にある状況でございます。ちなみに、日中は普通の
医療を続けながら、月に7回から9回の当直をこなしているというのが現状でございます。
今回、新たな医師を加え、3名体制を構築できたとしましても、この3名の医師だけで当直体制を組むのは非常に無理があり、結果として医師の疲弊感による新たな流出を招く可能性が大きいものと思っております。
この点に関しましては、本年度、長崎県が設置した公立病院等改革プラン推進委員会からも、公立病院が入院を必要とする救急
医療を24時間体制で提供する使命を有していることにかんがみ、常勤医師が6人未満の公立病院では医師の勤務が過重になること、
医療レベルの確保が困難なことから、原則として診療所化することを県の
医療政策の方向とし、支援、助言を行っていただきたいとの報告もなされております。これに基づきまして、実際、上五島町では3病院を1病院、2診療所という形で運営することとしております。
野母崎病院の長期的な方向性につきましては、人口の減少や高齢化が進む野母崎地域における
医療の継続の方法として、病院、あるいは診療所のどちらの形態をとるのか、その際、施設の一部を福祉的に活用するのかなどといったいろいろな選択肢について、改めて検討したいと考えております。
なお、野母崎病院の今後の方向性を決定していく際には、地元の皆さんのご意見も十分にお聞きして進行していきたいと考えております。
以上でございます。
26 ◯24番(中村すみ代君) ご答弁ありがとうございました。
最初に、市長にながさき型放牧について、ちょっと要望も含めて手短にお話しします。
市長は、この高野放牧組合で放牧している現地を見られたことがありますか。
27 ◯市長(田上富久君) 中村すみ代議員の再質問にお答えします。
放牧の現場は、まだ拝見したことはございません。
28 ◯24番(中村すみ代君) 市長、ぜひ、私も一緒にいいですから、放牧組合で放牧しているところをぜひ視察してください。場所は、国の重要文化財に指定された大野教会からさらに山間部に入ったところです。これは、本当に市長が日ごろおっしゃっている小さく産んで大きく育てる、まさにそれを実践しているところです。
私は、2年前に同じようにこの議会で質問するために現地視察をしました。そのときにいろいろお話を伺って勉強になったんですけど、母牛の体力がつくんです。大体妊娠して10カ月体内に、人間と一緒ですけれども、体内で赤ちゃんは育つんですけど、運動するために、大体2カ月置いて次の妊娠というのが通常なんだそうですけど、もう1カ月で妊娠できるということで、1年間に2回妊娠できるということで、非常にこの放牧による繁殖というのはすばらしいと。そして、先ほどご答弁でも後継者が育っているということで、これは本当にながさき型放牧を、長崎市の農業のビワと2枚看板でぜひ進めていただきたいということを要望しておきます。
市長さん、ぜひ現地調査していただきたいんですけど、いかがですか。
29 ◯市長(田上富久君) 中村すみ代議員の再質問にお答えいたします。
畜産の現場については、これまでも何度か見せていただいたことがあるんですけれども、放牧についてはまだ拝見したことがございませんので、ぜひ一度見せていただきたいと思います。
以上です。
30 ◯24番(中村すみ代君) じゃあ、ぜひ市長、調査してください。それで安心しました。
2番目の野母崎地区の病院の問題なんですけど、まず、病院局長にちょっとお尋ねいたします。
野母崎地区は人口が約6,500人なんですけど、
医療機関は何カ所ありますか。
31 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。
野母崎病院も含めまして、現在、
医療機関は3施設だと思います。だけど、ことしの3月末で1診療所が廃止されると聞いております。
以上でございます。
32 ◯24番(中村すみ代君) 野母崎病院以外に
医療機関3カ所なんですね。4カ所あるんですけど、内科の開業医の方が3月で廃院ということで、3カ所のうち2カ所は歯医者さんなんです。
つまり、何を言いたいかというと、6,500人の人口がいる野母崎地区に、本当に
医療過疎地帯だと思いますけど、そう思いませんか、病院局長。
33 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。
6,500名の人口があるということも承知しておりまして、野母崎地区の中でも野母地区と脇岬地区にそれぞれ2,500人いるということも承知しております。そういうことで、あそこに絶対的に
医療が必要である、
医療機関が必要であるということは認識しておりますし、今後もその方向で
医療を守るということを続けていきたいとは思っております。
以上でございます。
34 ◯24番(中村すみ代君) そういう野母崎地区の
医療環境を、民間移譲方針を決定するときにこのような事情を考慮されなかったんですか。そもそも民間移譲方針は間違っていたと思いますけれども、今の時点で、局長はこの民間移譲方針というのは間違っていないと今でもお考えですか。
35 ◯病院局長(楠本征夫君) 民間の病院と公的な病院の違いがどこにあるか。公的な病院というのは、やはり不採算とか、あるいは過疎地の
医療を守るというのが義務であるということはよく承知しております。しかし、あそこの野母崎で5,000人の人口の
医療を行うということで、民間でやれないということはないと、そのように判断しております。
その条件といたしましては、あそこの病院そのものを65の病床のままで維持していくのはちょっと不可能ではないかと思いますし、
医療部分は現状に合わせましてある程度縮小する。そのほかの部分を、高齢者を中心とした施設にするというのが町の方のご希望、アンケートによる希望なんですけど、ご希望でもあり、あり方検討委員会でもそういう方向性というのを示されたと、そのように思っております。
以上でございます。
36 ◯24番(中村すみ代君) 先日、野母崎地区に私伺って、住民の皆さんにいろいろお話を伺ったんです。そのときのことをちょっと紹介します。
まず、1、医は仁術と思うが、病院局がやっていることは算術ではないか。仁術をとるのか、算術をとるのか。
2、自分たちは長崎と合併したら今よりも
医療は充実すると期待感を持っていたが、実際は全く逆の事態。人の命を預かる
医療を赤字でも存続させるべき。
3、院長みずから週3回も当直してくれたと、病院局はこのことを評価していたのかと、評価すべきではなかったかと、その先生でさえやめる決意をしなければならなかったと。
4、記念病院自体は病院の責任ではない。病院局の拙速さ、頓挫したのは市の責任。民間移譲はお荷物の野母崎病院から身軽になりたいからではないか。病院局が一生懸命やっているようには見えない。
そして、さらに野母崎病院の
医療水準の後退でどんな悲劇が起きているのか、具体的な事例を3つ紹介します。
1、妻は人工透析患者で、野母崎病院に透析施設ができて安心して半身不随の夫を自宅で介護できていましたが、透析
医療が廃止になり、いろいろな経過の後、県外の子どもさんのところに転居。環境の変化などで間もなくご夫婦とも亡くなられたということです。野母崎におられたら、もう少し長生きできたのではないかと。
2、夫がデイケア、入院しなければならなくなったわけですけれども、4月からは入院ができなくなるので、旧長崎市に転宅を決断。
3、60代の女性、これはバス停で私バスを待っていたら、一緒にバスを待っておられた女性の方です。外来患者さんです。4月から主治医が退職。診察時、先生、行かないでくださいと訴えたそうです。私に涙ながらに言われました。
こういった
医療水準の後退によって、本当に住民の間に不安といろんなものが広がっているということがわかりました。今、紹介した事例は少ないかもしれませんけど、私には野母崎地区の住民の皆さんの本当総意ではないかと思うんです。
それで、先ほど病院局長の答弁で、最終的に今、病院局が考えておられるということは、新上五島町で実施したような、公立病院で6人未満のお医者さんの
医療機関は原則として診療所化するという、これは県の方針ですか。で、病院をとるか、診療所をとるか、改めて決定すると。ここが今の病院局の検討のテーマになっているということですか。
つまり、民間移譲方針は撤回して、直営でこういった今お話ししたようなことを病院局として模索しているということですか。ちょっと確認です。
37 ◯病院局長(楠本征夫君) 上五島町の例を申しましたけど、あれは正確に野母崎町と人口構成が一致しているものではございません。ただ、そういう
医療提供側の姿勢からして、3人体制で病院として維持するのは不可能である。そういうことをちょっと申し上げたことなんですけど、野母崎に関しましては、議員おっしゃいますように6,500人の人口があるということで、そこにやっぱりそれなりといいますか、それをカバーするだけの
医療は絶対的に必要であると思います。
だから、それに向かって進めていくのは間違いございませんけど、当初の目的でありましたベッドが幾つ必要なのか、どのような患者さんを入院させる必要があるのかというのは、いろいろ検討する必要があると思います。
例えば、きのうもちょっと住民の方といろいろ話したんですけど、この規模の病院で、例えば、心筋梗塞とか、脳卒中とか、がんとかというのは、なかなか現在の進んだ
医療というのは困難であると。だから、そういうのはやはり中心部にある施設の整った病院でやる。だけど、日常的な
医療というのは、やはり絶対的にあそこに必要でございますから、その
医療を提供する体制は確保すると。だから、今からの
医療の状況、医師の状況によって、そこがどういうところで落ちつくのかというのが今後の検討状況ではなかろうかと、そのように思っております。
以上でございます。
38 ◯24番(中村すみ代君) にわかに民間移譲方針を撤回するということについて、この場でご答弁しにくいということもあるかとは思いますけれども、病院局長としては民間移譲方針を撤回して、そして、やはり直営でということでいろいろ模索をしているということで先ほどの答弁を私は理解したんですけど、それでよろしいですか。
39 ◯病院局長(楠本征夫君) 本議会で移譲ということは一応議決いただいておりますから、それを私の一存で変えるということはなかなか不可能でございます。だけど、その後の
医療情勢というのは変わっているということも事実でございますから、それに合わせた検討というのは進めていくことになるのではなかろうかと、そのように思っております。
40 ◯24番(中村すみ代君) そういうことで、直営ということを模索しながらしていくというようなご答弁だったと思いますけれども、それにしても、仮に直営という場合に無床の診療所化とか、そういう方向性をもし探られているとすれば、私はもう絶対認めたくないし、やはり合併前の
医療水準にぜひ戻すべきだというふうに思っております。
それと、この際ちょっと私、お話ししたいんですけど、病院局の医師は市の職員です。それから、野母崎の地区の住民は長崎市民です。病院局の市の職員である医師が、野母崎の市立病院がこういう状態になっているというときに、同じ市民の命を守るというふうに病院局の医師の皆さんは思わないんですか。ちょっとお尋ねします。市職員であるということの認識というのを医師がどの程度持っているかということについてお尋ねいたします。
41 ◯病院局長(楠本征夫君)
医療を守るということに関しましては、全員相当の情熱を持って取り組んでいると思っております。だけど、さっき申しましたとおり、どのような種類の
医療を行うのが適当なのかというのは、これはいろいろ医師それぞれの考えによっても違いますし、あるいはいわゆる総合
医療といいますか、そういうものを行う
医療というのは別にございますし、肺がんの専門家があそこに行ってもなかなか通用しない、肝臓がんの専門家が行っても通用しないということで、なかなか難しい点はありますけど、今後、そういう意味で市民病院の医師も何かせんといかんというのは十分に思っておりますから、そういうことで今度の4月から、ちょっと自分の仕事というのはいろいろ調整しながら野母崎病院の診療を続けようという、そういう意気込みと理解をしております。
42 ◯24番(中村すみ代君) 最後です。こういう機会ですから、病院局の先生方にも地域
医療を研修していただいて、そして、医師としても大きく市民に、今も責任持って診療されていらっしゃると思いますけれども、今まで以上に頑張っていただきたいというふうに私思っております。
それで、繰り返しになりますけれども、4月以降は直営で、ぜひ内容については地元の住民の皆さんと相談しながら、また、議会とも相談しながら、あるべき地域
医療の姿を実現していただきたいというふうに思います。
43 ◯議長(吉原 孝君) 次は、27番井原東洋一議員。
〔井原東洋一君登壇〕
44 ◯27番(井原東洋一君) 長崎市民会議の井原であります。
まず、県市の
連携強化について質問いたしますが、このことは前田議員の提起もありましたので、壇上からはもう一歩進めた私の提案をさせていただきたいと思います。
私案ですが、N&T、4K政策であります。すなわち新しい知事中村、ベテラン市長田上及び経済、雇用、観光、国際の頭文字をとってN&T、4K政策と申したいと思います。
私は、この政策の一元化の推進のための官民合同の機関をぜひ設けていただいて、権限と財源と責任を付与する組織体の構想について市長の決意を伺いたいと思いますが、詳しくは再質問で取り上げたいと思います。
2番目に、平和行政について。
1つ、平和市長会議が果たす役割。
核兵器廃絶、世界恒久平和への道のりは、2009年4月、プラハにおける米国オバマ大統領の核兵器なき世界発言で世界じゅうに一つの流れを起こしていますが、もろもろの困難の前に失速の心配があるのも現実であります。ノーベル平和賞を受賞したときのオスロにおけるオバマ大統領の演説からもそのことが伺えるのであります。
このような中で、オバマジョリティーとか、あるいはオバマリズムなどの造語が流行していますが、それぞれがみずからの努力を怠り、オバマ頼りに陥ってはならず、我が国は唯一の被爆国日本の責任として、核兵器廃絶へのリーダーを果たさなければなりません。
核兵器なき世界の実現には、国家間の協議進展への努力が当然のことではありますが、平和を目指す世界じゅうのNGOの力を結集する重要な役割を担う中核には被爆都市広島市と長崎市が位しており、平和市長会議への参加各都市が自国政府へ強力に働きかける機運を促進する主役が秋葉市長であり、田上市長であります。
2020ヒロシマ・ナガサキ議定書について言えば、2020年度核廃絶実現を祝うオリンピック開催などの全く的外れな妄想には、日本政府の関心もほとんどなく、2020議定書そのものを重視している気配さえ感じられません。広島、長崎の両市長は、国威発揚、メダル至上主義の商業主義に包み込まれているオリンピックを平和目的に利用しようなどとするたくらみからは完全に決別し、むしろ核兵器廃絶宣言をした国を厳選の上、平和の金メダルを世界賞として創設することのほうがよほど得策であろうと思いますが、今度は逆に田上市長、秋葉市長に提案してはいかがですか。
今、日本政府の力点は、日豪の元外相などによる賢人会議の提言や、日豪外相による共同声明を重視し、消極的安全保障や核兵器保有の唯一の目的の実現に重点を置いているように思われます。平和市長会議の重責を担っておられる田上市長は、政府とNGOとの間にある核兵器廃絶に関する考え方の格差を直視され、平和政策を前進させるためにはどのように具体的な努力を行われるつもりなのか、その決意について質問いたします。
2つ目は、原爆被爆者対策の充実についてであります。
原爆被爆者は、放射線障害の特異性から後遺障害及び晩発的恐怖にさらされながら、被爆後65カ年間には直爆死亡者に倍する原爆死没者を数え、今なお病床にあり、また、みずからの健康管理に心身をさいなまれている人々も数多いのであります。近年、行政の怠慢と消極性を突き崩してきた裁判の勝訴の後追いにより、各種施策の前進が見られてきましたが、それぞれの事業推進のスピードが決定的に遅く、死を待つばかりにある事態を注視し、打開すべきであります。
その上、全く手がついていない事業に被爆二世対策があります。この二世対策と長崎市が国に強く求めている事業のスピードアップ及び重粒子線治療施設整備の3点に限定して答弁を求めるものであります。
3番目の課題は、民意の尊重についてであります。
1つ、上長崎地区ふれあいセンターの早期着工について。
上長崎地区ふれあいセンターの建設は、本来ならば第1号として昭和62年度事業のはずでありました。行政判断の犠牲により、4分の1世紀おくれになっています。済生会病院跡地への早期建設は、伊藤前市長と地域とのかたい約束、つまり伊藤さんの遺言であります。既に旧済生会病院は取り壊され、今月末には恐らく更地となり、市有敷地は返還のときを迎えていますが、市が隣接地の買収におくれをとったため、都市公園にも満たない狭い土地利用となっていることは、まことに残念な結果となりました。
市長は、この狭い土地に民間と子どものために認定こども園を新設提供するような計画に熱意を示しておられますが、地域団体や周辺の社会福祉、教育法人等の反対動向もある中では、オリンピック招致手法での頭越しでは甚だ迷惑で賛成できるものではありません。このことは、既に関係部門に伝えてあるとおりであります。
市長は、これまでのおくれの反省の上に立ち、地域の動向を正しく受けとめるべきで、時間稼ぎは御免です。市の成案をもって地元に説明するとの考え方を改め、地元意見をもとに成案を練り上げて具現化する姿勢に立ち戻り、着工及び完成時期を明示して、計画案の共同作業に着手すべきであります。6月補正に予算化する決意を示されるよう求めるものであります。
2つ目は、桜ヶ丘幼稚園問題の再検討についてであります。
このことを改めて取り上げる理由は、さきの議会での議決及び請願不採択の結果に異を唱えるものではなく、このことにかかわる過程での行政手法の非民主性を指摘するものであることを改めて申し上げておきます。